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クリスマスツリー

17年前、私が6歳のとき
母とヨーカ堂に買い物に行った。
夕飯の材料や日用品もろもろ用事を済ませ、
エレベーターに向かった。

17年前のあのときは柱の横に赤い台が置かれその上にいくつかツリーが飾られていた。あの頃は珍しかった幹から青い光線が出ている白いツリー、簡単に飾れるコンパクトなツリーが並べられていた。その中で私が一番ときめいたのは、両手を広げてもキラキラが溢れてしまうほどおおきくてプリンセスの家に飾られていてもおかしくないツリー。てっぺんの星がキラキラ輝く、靴下をかけてサンタさんを待つ、あぁなんて素敵なクリスマスになるだろうと思った。

母は倹約家。
必要のないものにお金を使わない。
だから、きっとツリーには目もくれず
エレベーターを降りるだろう。

母が立ち止まった。
しばらくして聞いてきた。
「ツリーほしい?」
少し驚きながら急いで「うん」と言った。

我が家にクリスマスツリーがやってきた。

とっても嬉しかった。
クリスマスツリーが手に入ったことよりも、母が私にクリスマスツリーを買ってあげようと思ってくれていたことが嬉しかった。

「うちには、こーーーんなにおっきいクリスマスツリーがあるんだよ!」

友だち、先生、親戚、ご近所さん会う人会う人に身体全体を使って我が家のクリスマスツリーの大きさを教えてまわった。

それくらい嬉しい出来事だった。

23歳になった今でも
私はうきうきでクリスマスツリーを飾る。

17年前のあの日、
私のためにツリーを買ってくれた
母の気持ちがいまだに嬉しいからだ。


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