coharu
私は記憶力がとてもいい。 あの教科書のあのページの左に書いてあったな この答え先生が黒板書くときに字間違えたな これ〇〇が凡ミスしたって言ってた問題だ テストはこんな感じで、いつも成績優秀。 学生時代は、 自分の記憶力に誇らしさを感じていた。 しかし、社会人になってからはちがった。 あれ?〇〇にするってこの前先輩が言っていたのに、違う決定になっている… 先輩がチラッと言ったこと、やらなきゃいけないと思ってたら、もういらないらしい… 「去年は7月13日に〇〇やって、〜
パパとママは家族じゃなくて、 友だちになるんだけどいいかな? いいに決まってる。 友だちのまなちゃんは家族より仲が良い。 毎日自転車で公園に行ってブランコ競争したり、まなちゃんのお家にあるシルバニアファミリーでおままごとをしたり、たまにはケンカもするけどお花をあげて仲直りをする。 パパとママも友だちになったほうが、仲良くなるに決まってる。 友だちになったら、パパとは一緒に暮らせないらしい。たしかにまなちゃんは一緒に暮らしていない。友だちってそういうものだ。 学校から
17年前、私が6歳のとき 母とヨーカ堂に買い物に行った。 夕飯の材料や日用品もろもろ用事を済ませ、 エレベーターに向かった。 17年前のあのときは柱の横に赤い台が置かれその上にいくつかツリーが飾られていた。あの頃は珍しかった幹から青い光線が出ている白いツリー、簡単に飾れるコンパクトなツリーが並べられていた。その中で私が一番ときめいたのは、両手を広げてもキラキラが溢れてしまうほどおおきくてプリンセスの家に飾られていてもおかしくないツリー。てっぺんの星がキラキラ輝く、靴下をかけ
23歳。いつ大人になるんだろう。 20歳になったら、社会に出たら、 結婚したら、出産したら、 いつか大人になれるんだと思っていた。 小さいときに思い描いてた大人。 大人ってすごい。 車が運転できる。 お酒って飲み物も飲める。 夜遅くまで起きてても怒られない。 宿題はないらしい。 大人はいつも正しくて 強くてかっこよかった。 でも、思っていたより大人は正しくない。 悪いこともするし、弱いし、かっこわるい。 私はきっと子どもになりきれなかった。 母が大好きで、母がすべて
私が父と暮らしたのは たった6年。 父と母に手を繋がれ道を歩く。 私の手を引っ張り空中に持ち上げる。 父とでかけるときの楽しみだ。 家族3人でディズニーランドに行った。 ディズニーの帰り、 父と母が楽しそうに話している。 私はフルフラットにした後部座席で ひざ掛けを持ち上げて遊ぶ。 後ろにいたトラックの運転手に 手を振ったら笑って振り返してくれた。 私のディズニーの記憶。 父は面白い。 変な洋服を持っていて 覆面フードを被って、笑わせてくる。 めったに料理をしない父が
宇宙の向こうはどうなっているんだろう? 幼稚園のとき 日本っていう星、アメリカっていう星があって 飛行機で行き来できるんだと思っていた。 どうやら地球は丸いらしい。 日本もアメリカも海でつながってるらしい。 嘘だ。丸いわけがない。 道はまっすぐじゃないか。 下を歩く人は逆さまか。 5歳の私は、地球平面説を唱えていたらしい。 まっすぐ歩けば まなみちゃんのお家にも行けるし アメリカにだって行けるって言うのに まっすぐはまっすぐじゃないらしい。 どうなっているんだよ。
みんなが私と違う世界で生きてるなんて 知らなかった。 0歳。茶色の枠のすりガラスがある部屋で母を見る。3歳。幼なじみを叩いた隣のクラスの男の子から、仁王立ちで幼なじみを守る。足が震える。幼稚園のトイレに行くのがめんどくさくて、おしっこをしながら歩く。そのうしろを先生が雑巾掛けしながら付いてくる。4歳。クラスの男の子にみぞおちをパンチされ泣き、先生に抱っこされながらクラス写真を撮る。まだお腹が痛い。誕生会の練習のときに、主任先生に呼び出され急いでおじいちゃんの病院に行く。霊安
私は、本が読めない。 レポートや書類など 必要な情報を読み取ることはできるが、 物語を読むことが苦手。 作者の気持ちを考えたら 一言一句大切に読まなくてはと思い 20ページ読んで力尽きる。 本を読みたいと思う日もあるが、 次に読みたいと思うのは半年後。 半年前に読んだ本の内容を 覚えているわけはなく、 また20ページ読んで力尽きる。 20ページでは何も起こらない。退屈だ。 中学生のとき、朝読書の時間があった。 担任曰く「読書は大切」らしい。 毎朝10分間、読書をする。
髪を切った。 私がばっさり髪を切るときは 大体なにかグッとしたとき 1回目は高校生のとき 受験に立ち向かうのが怖くて 2回目は大学入学したてのとき 周りのキャピキャピ女子が キラキラしすぎていて そして、2ヶ月ほど前 映画「愛がなんだ」を観たとき 心がグッとしてどうしようもなくなって 長かった髪をばっさり切った。 猫背でひょろひょろのマモちゃんに出会い、恋に落ちた。その時から、テルコの世界はマモちゃん一色に染まり始める。会社の電話はとらないのに、マモちゃんから
映画「君の膵臓をたべたい」を観た。 映画が公開されたのは2年前。 前々から評判は聞いていたが、 よくあるストーリーテラー系の 青春ラブストーリーかと敬遠していた。 しかし小栗旬が出演を決めるくらいなら きっと良い映画なんだろうと 旧作になるのを待たずに、DVDを借りた。 ちなみに、私は節約家なので映画が公開されTUTAYAにレンタルDVDが並び、最新作が準新作に、そして旧作になるのを待ち、7泊120円で借りることを楽しみにしている。 もちろん映画館の雰囲気、迫力、音も好き
映画「嘘を愛する女」を観た。 まず、キャストがとても素敵。 イライラすると余計なことを言ってしまう長澤まさみ、耳が弱いと知っていながら攻める高橋一生、雑な優しさ吉田鋼太郎、長澤まさみに真っ向勝負かけた川栄李奈、途中まで気がつかなかったDAIGO、脇を固める黒木瞳、奥貫薫、 すべてがずっと素敵だった。 映画は、2011年3月11日 混乱の中、体調が悪くなりホームでしゃがみこむ川原由加利(長澤まさみ)に、小出桔平(高橋一生)が迷いながらも優しく声をかけるシーンから始まる。
私はシンデレラになりたい。 幼稚園の発表会で シンデレラをやることになった。 クラスの女の子たちは皆 「シンデレラをやりたい」と言った。 私は一人、魔法使いに手を挙げた。 担任の先生はとても喜んで この出来事を連絡帳に書いて褒めてくれた。 家族中が私のことを優しいねと褒めてくれた。 ちがう。私は優しいんじゃない。 「シンデレラをやりたい」と言えなかった。 私はシンデレラになりたかった。 18年経って 私はシンデレラになりたい と言えるようになった。 なにそれ笑 と笑
電車を降りて改札を出た。 階段を下りようとしたとこで 夕焼けが綺麗だなって思った。 でもまあいいやって いつも通り下を向いて家に帰った。 玄関の鍵を開けて1秒考えた。 やっぱり綺麗な夕焼けがもったいなくて カメラを首にかけて自転車を走らせた。 橋の上に着いたときには あの綺麗だった夕焼けはなくなってた。 悲しかった。 やっぱりなんて思わなければ 悲しい気持ちにはならないのに。 たぶんいつも、そういうとこ。 #夕焼け #日記 #心のなか