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響く

ひとって、自分に都合の良い相手や、望んでいるようなことを言ってくれるひとを、『良いひと』だと思い込んでしまう生き物です。

望んでいない言葉を『当たっていない』、『合わない』と受け止めたりね。

もちろん、怪我をしているひとにはケアが必要だし、病んでいるひとには癒しが必要です。

でもね、そのひとの『目覚め』のために、厳しい言葉が必要なときも、あるんだよね。
傷口に塩を塗りこめっていう話ではなくてね。


むかし、妹が旦那さんをやり込めて、追い詰めて、挙句にネットで知り合った他の男のところに転がり込んで、日が経つと、今度はその男のことも責め立て始めて。
「5分でいいから話を聞いて」と言って、延々2時間、男の愚痴を言っていました。

そのうち、子どもができて、籍を入れて、赤ちゃんを出産しても、まだ愚痴は続きました。

「そんなに嫌なら別れればいいし、別れないなら、あなたはもうお母さんなんだから、一家の太陽でいて」という旨のメールを送りました(当時はまだガラケーでした)。

数日後、また妹から電話が来て、二人目の旦那の愚痴を吐き始めました。
あまりにも変わっていないので、「この間送ったメール読んだ?」と訊くと、「 あ、説教だなと思ったから読んでない」と言われました。

説教じゃなくて、助言なんだけどね。
妹には響かなかった。響くまでも行かなかった。

タイミングというものも、あります。
妹はまだ愚痴を吐き出すばかりで、誰かの言葉を受け入れられる段階ではなかった、ということです。


ひとは、自分にとって手痛い真実には、なかなか向き合えないものです。
だけど、それを受け容れていかないと、魂は磨かれないし、成長しない。


妹は、『そこ』で終わりました。

私が本気で叱った後、一切、私に関わろうとせず、敵視して、完全無視になりました。
妹は、自分の愚痴を聞いて味方をしてくれる、都合のいい相手が欲しかっただけなのです。

離婚調停のために弁護士さんも交えて話をした時も、一方的に旦那さんを悪く言い、自分はまったくの被害者ぶって、弁護士さんから「ちょっとおかしくないですか?」と言われていたそうです。

一度、実家で正月に顔を合わせましたが、私が声を掛けても、ガン無視でした。
妹の赤ちゃんを見ると、まるで『岩』のような波動でした。
普通の赤ちゃんって、ほんとうに真っ赤で、柔らかくて、真っ更なのですが、妹の赤ちゃんは違いました。
やがて、成長して、その子こそが、妹にとって手に負えない、『真の敵』になるであろうことが分かりました。

私や旦那さんたちの『届けたかったこと』が赤ちゃんとして具現化して、いずれ妹の前に立ち塞がるのです。
最愛の娘から、それを受け取ることになるのです。

旦那さんたちを切り捨て、私を切り捨てて来たけど、今度は切り捨てられない『娘』という存在が現れた。
妹は、どう向き合うか。また、試されるのです。

私たちの放った言葉は届かなかったけど、こういう形で、響き返ってくることもあるのです。
私たちの言葉を受け取っていた方が、ずっと楽な道だったのにね。

ひとの言葉は、どんな意見でも、言葉でも、一旦聞いておくのが、良いですね。と、思います。
「うん」
「はい」
「あなたはそういう気持ちだったんだね」
言葉はなんでも良いけど、まずは受け容れる姿勢を持つと、心のなかの響き方も変わってきますから。


読んでくださって、ありがとうございました。
また明日。
おやすみなさい。

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