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7人の女侍 3話 ”長身で短髪なメンヘラによる逆セクハラ~完結編”

この話は今回で完結です。
少しアダルト要素を含みますので、苦手な方は迂回ください。

前回の投稿:


職場のメメ子と、仕事のことでメッセンジャーで口論に。

自分の否を認めたメメ子でしたが、彼女はかつて「産後鬱」を発生させた経験のある、とてもセンシティブな心の持ち主であることが判明。

あえて乱暴なことばで端的に表すなら、メメコは「メンヘラ度高め女子」だったのです。

私に自分の過失を理路整然と指摘されて涙が止まらなくなったらしいメメ子。

そこでまさかの、

「メッセンジャーを旦那に交代」

という掟破りの荒業を繰り出してきました。
喧嘩した友達が親を呼んできたときのような「姑息な!」感です。


旦那(以下「ヌケサク」)のお言葉:

「メメコはひとに頼むのが下手なのです。大目に見てください」
「旦那が出てくるのはおかしいと思うでしょうが、いつも夫婦一心同体でやってきましたので、僕らにとっては自然なことです」
「あなたが書いた文章を会社に提出することはしません。メメ子はこれまでどおりの関係を望んでいます」

・・・

ツッコミどころが多すぎて閉口してしまいました。

まず、こっちに理解を求める前に、妻の悪態に対する謝罪の気持ちはないのでしょうか。

夫婦で理解しあっているようなことを言ってますが、メメ子が

「生まれ変わったら別の人と一緒になりたい」

とか私に言ってきたことは知っているのでしょうか。

完全に被害者側の言い方ですが、そもそもメメ子のほうから私にからんできているのですが。

私が送ったメッセージを会社に提出するのは別にかまわないけど、完全にメメ子にとってブーメランになるのですが。

お互い会社の愚痴を話す中で、メメ子はお局様の悪口を言ったり、社長を「うんこちゃん💩」と呼んでいますけど。


いや、待てよ。

いくらこのメメ子にしてこの旦那ありだったとしても、あまりにもアホすぎではないでしょうか。

多分、今は妻の手前、かばうことしかできないだけで、本心は別の思いもあるに違いない。

いい歳した社会人の男なら、私からのメメ子に対する指摘を読んだのなら、彼女の仕事の仕方がいかに迷惑かわかってくれるはずだ。

わかった。ここは旦那の顔を立てて、これ以上は言わないようにしよう。


そこで私は、自分のメールアドレスを公開し、

「ヌケサクさんと話したいので、メールをください」

とだけ言ってその場を沈静化させました。

きっと、

「先程は妻の手前、一方的な言い分で申し訳ありませんでした」

とか、常識的なメールが来るに違いないと。

はたまた、

「妻には私も手を焼いています。しかし気の病を持っているので、慎重に接しています」

なんて苦労も吐露するかもしれない。

そして、旦那と直につながれば、今後メメ子の仕事に対する姿勢に問題があれば、自称一心同体の旦那から注意してもらうという選択肢も持つことができるわけです。


後日、さっそく旦那からメールが来ました。

「こんにちは、ヌケサクです❗宜しくお願いします❗❗」

1行でした。

ただの単純野郎でした。

あの流れで、いったいどうしたらこんなテンションのメールになるのでしょう。

あまりに力が抜けて、もちろん返事もしていません。


そして、それからメメ子とは、可能な限り距離を取るようにしています。


まだ終わりません。むしろここからが本番です。


その後、若いイケメン中途社員(以下「イケオ」)が入ってきたので、私はメメ子の相手役を彼に代わってもらいました。

これが、今思えば火に油、狼の檻に子豚を入れるような行為であったことを反省しています。


つまり、メメ子はイケオに対しても、判を押したように同じアプローチをはじめました。
(Facebookを勝手につきとめ、意味深なメッセージを毎晩送ってくる)

その後輩はメメ子より一回り下で、イケメンですからおばさまに対する対処も慣れたもののようです。しばらくは上手くいなしてたようです。

私はイケオのその能力に賭けたのですが、簡単ではありませんでした。

ついに事件が起こります。


私はイケオから、彼の身に起こった恐怖体験を聞くことになります。

もはや奇跡ならぬ、恐怖体験!アンビリーバボーです。


ある日、狭い会議室で、後輩とメメ子は二人きりで作業していたようです。

そこで気分がアガったのか知りませんが、下記の要求を受けたそうです。

「イケオくん、ぎゅっとして🧡 今すぐここで❗」
「きゃっ、言っちゃった😍」

(以上、原文ママ)

男女逆の立場で考えてみてください。完全にセクハラです。

身長170センチ超の女性は、男性だと185センチ以上に相当するでしょうか。

そして短髪ボーイッシュ、一回り歳上。社歴も上。

イケオはまだ会社に入ったばかりで、まだキラキラとした将来を夢見ている年頃です。

そのときに受けたイケオの恐怖を例えるなら、若手女優が、密室で竹内力に、ミナミの帝王の口調で性的関係を迫られるくらいに背筋が凍る体験だったことでしょう。


イケオは涙ながらに私に訴えてきました。

「メメ子さんにあれされてこれされて○▲□・・・」
「あの人メンヘラぽくないですか!?」

・・・正解!

いやいや、そんな身を賭すようなクイズをやっている場合ではありません。
カイジじゃないのだから。

このあとイケオと私は、被害者の会ばりの仲間意識でメメ子の対策について議論を重ねたのは言うまでもありません。


しかし、前の記事でも書きましたとおり、会社の、つまり幹部の男たちがこしらえた仕組み、体制、そして男が中心となって設定したルールが基盤となっているこの社会が、彼女のようなモンスター(失礼)を生み出すのです。

会社としては、組織の指揮系統の脆弱さに加え、メメ子に対してきちんと業務内容とその意義について説明できていない社員教育の杜撰さ、業務負荷が担当者1人に集中する業務アサインの不平等。

そして、陰口を叩かれていることに気付かずけなげにも妻の味方をする夫の不憫さ、盲目さ。40を超えてなおこのような精神性で社会人としてやれてしまう田舎のぬるさ、過剰な幇助。

メメ子が男性社会においてモンスターとして映し出されるならば、それは鏡の前の男の姿そのものかもしれません。


~メメ子編:完


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