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【音楽教員が解説!】合唱曲「旅立ちの日に」のピアノ伴奏の演奏法(上手な弾き方)

この記事では卒業式などで大人気の「旅立ちの日に」のピアノ伴奏を上手に演奏するためのテクニックを、アマチュアピアノコンクール全国大会入賞の実績を持つ元学校音楽教員が詳しく解説しています。

この曲を卒業式で伴奏する生徒さんや伴奏をしたり教えなければいけない音楽の先生は是非これを読んで演奏していただければ嬉しいです。

最初の方は無料で読むことができますが、途中からは有料になっています。譜例を挿入しながらわかりやすく5,000文字で解説します。

演奏動画は以下です。

本記事で使う楽譜は記事執筆者が作成したものを使用しています。

「他にこんな曲の伴奏の演奏解説があるといいんだけど」というリクエストがあれば参考になるのでぜひ「クリエイターへのお問い合わせ」やX(Twitter)のDM等で教えてください!

前奏(1-10小節)

合唱の曲とはいえ、この曲のメインディッシュの一つといっていいほど魅力的な前奏であることは間違いありません。

ということは逆にこの前奏を雰囲気良く弾けるかどうかが合唱曲全体の演奏に大きな影響があるため、責任重大とも言えます。

この前奏の演奏で気を付けることは以下です。

①1番の歌い出しの導入としての雰囲気を作る
②高音のメロディを際立たせること
③盛り上がりは控えめにすること

①1番の歌い出しの導入としての雰囲気を作り出す

美しく魅力的な前奏であるがゆえに感情たっぷりに(クレッシェンドを大きめにしたり、テンポをゆらしたり)演奏しがちですが、静かなユニゾンで入ってくる1番の歌い出し「白い光のなかに」のことを考えるとあまり目立ちすぎるのは良くありません。
光が穏やかに差し込む空間のような雰囲気で演奏するようにするのがこの曲の始まりに適していると考えられます。強弱記号のmpは厳守(pでもいいくらいです)します。

②高音のメロディを際立たせること

右手のメロディだけを目立たせるように弾きます。他の音は控えめに。

また、すべての音を均等に鳴らすのではなく、左手の伴奏や右手和音の下の音は極力小さくし、最高音のメロディのみを少し際立たせるように弾くと目指す曲想が実現できます。

テクニック的には少し難しい(各指の独立が必要)のですが、これができると艶やかに輝く音色でこの部分を演奏することができ、聴いている方を一気に曲の雰囲気に引き込むことができます。

③盛り上がりは控えめにすること

4小節目のクレッシェンドも感情がグッと高まらせることができる効果的な部分ですが、控えめにしするのが賢明です。(このクレッシェンドは間奏用に温存しておくのが良いです)

9小節目からのリズムを刻む伴奏も快活になりすぎず、その次の歌詞がスムーズに聴こえてくる音量を考えて控えめに。「白い光の中に山並みは萌えて」という遠景を歌う出だしにふさわしい、遠くまでスッと響くような綺麗な和音の鳴らし方をしましょう。
具体的には和音の粒がしっかり揃っている(3音がしっかり同時に鳴る)ことや、鍵盤を叩く際の雑音を最小にすること、左手の低音を響かせる(和音の変わり目ではしっかりペダルを踏み替えて濁りをなくする)ことが挙げられます。
10小節では歌が入ってくる準備としてテンポをしっかり決めてキープしておくことも大切です。

また和声のセオリーからすると以下の3つの音は省略することが可能(その方が美しくもある)で、演奏も簡単にできますので検討しても良いです。

ベースの音の関係でこの3つの音は省略した方がきれいです。


1番「白い光の中に」〜(10-26小節)

歌の出だしはどの合唱曲でも大事です。この曲の場合、歌と伴奏が合っているように聴こえさせるために、11小節の出だしで注意すべきことがあります。

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