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病院で過ごしたクリスマスに、娘からとびきりのプレゼント

 娘が3歳の時のクリスマスだったと思いますが、その時ぼくは目をケガしていて、入院中だったんです。

 クリスマスには帰れるだろうと期待してたんですが、術後の経過が悪くて、クリスマスにはとても帰れなさそうでした。


 病院の先生も看護士さんも、なんとか帰れる方法はないかと、考えてくれたんですが、病院が家から遠く、なんかあったときに大変だということで(別に命がどうということではないのですが)、退院の許可は出ませんでした。
 それどころか、年末の退院も怪しくなってきてくらいでした。

 病院が遠くて、娘にもなかなか会えない日が続いてたので、

 しかも、なかなか良くならない状態に苛立ちもあったときだったので、クリスマスに帰れないというのは、やっぱりショックでした。


 娘はその年、サンタクロースに”シール”のプレゼントをお願いしていたみたいでした。


 シールって(笑)、欲がないのか、3歳位ならそんなものなのかわかりませんが、聞いたときには、

そんなんでええの?

 と、思わず笑ってしまいました。


 小さい子どもって、なんでか知らないけど、シールが好きですよね。

 プクプクシールとか、キラキラシールとかいろんなのがあったりして、うちの娘も大好きでした。



 そして、クリスマスイブの日、ぼくは眼帯をした顔の自撮り写真を娘に送りました。
 なんでそんなのを送ったのかって言われても、他に送るものがないので仕方がない。



 そして、お父さんの顔を忘れてほしくない、正直そんな下心もありましたね。(クリスマスに、片目で無精ひげで髪ボサボサの写真って、ちょっとしたホラーだったかもしれないですが。)


 病院の夕食は、ちょっとだけクリスマス気分を感じるメニューだったと思います。


 娘は、どんな夜を過ごしてるんだろう。

 ワクワクして寝られないんじゃないかな?


 そんなことを思いながら寝ました。

 

 で、夜が明けて、次の日でした。


 まだ朝の早い時間でしたが、

 携帯の振動とともに、妻からのメールが送られてきました。


 開けてみると、娘の写真。

 布団の上に座って、布団の上にいっぱいにシールを散らかして、そして何枚か手に持ちながら、嬉しそうなとびきりの娘の笑顔がありました!


 かわいすぎる!

 というのと、

 シールでこんなに喜ぶなんて、なんて安上がりなんだ(笑)

 とか、そんなおかしさも混じって、思わずにやけてしまいました。


 娘のとびきりの笑顔。


 その年のクリスマスは、しょぼくれた入院生活を送るぼくにも、最高のプレゼントが貰えた、そんなクリスマスになりました。


 もう、10年くらい前の話ですが、その時の娘の満面の笑顔だけは、なぜかずっと覚えてるんですね。
 そして、不思議なもので、その写真を思い出すと、その時の感情まで蘇ってくるんですね。


 きっと娘は忘れてしまってるでしょうけどもね。

 今度聞いてみようかな。

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