
【企画参加】私だけが覚えているなんて
悔しいんですけど、私だけが夫と出会った日を覚えています。夫は、私と出会った日を全く覚えていないというのに。
なんてこと!
しかし私も、夫との初対面の日に「出会った」という感覚はあまりありません。ただ、「え!あの人がキャプテンなの!」と興味を持っただけです。ただそれだけ。ほんとにそれだけですから。
コッシーさんのこちらの企画に、遅ればせながら参加させていただきます!
締め切りは山の日、つまり昨日。
コッシーさん、ごめんなさい!遅れましたー。
「無理無理、苦手やわ!私には書けない」と思っていましたが、皆様のエピソードを読ませていただき、「しょぼい話だけど、私もチャレンジしよ!」と書いてみました。実は少し前にできていましたが、なかなか投稿する勇気が出ず。
そもそも、夫との出会いは、最近noteで書いたばかり。それは、私の一目惚れのお話で、夫はそのおまけとして最後に登場します。
だからその記事で一応、夫との「出会い」は書いたし、私的にはすでに恥ずかしさもMaxでした。ただあまりにも夫は付け足し扱いだったので、「出会った日」の夫ことを、少しだけ書いてみることにします。どうぞ、お付き合いくださいませ。
*****
当時、私の所属していた大学の陸上部は、授業が終わってグラウンドに来たら、とりあえず芝生の上で輪になってストレッチを始めることになっていた。
わしゃわしゃおしゃべりをしながら、芝生に腰を下ろして雑談タイム。
ある程度の人数が集まると、全員が立ち上がり、ジョギングからのウォーミングアップを始める。
高校時代の憧れの先輩(女性)に誘われて大学の陸上部に入部し、ジャージ姿でグラウンドに初めて入った日のこと。
誘ってくれた先輩は、まだグラウンドに来ていなかった。どうしてよいものかわからずに、先輩たちの輪の後ろにちょこんと座って、ぼーっとみんなの様子を眺めてストレッチをしていた。
その輪の真ん中に、ひときわ笑い声の大きな男性がいた。いちいち、芝生に寝転んで、おっきな口を開け、お腹を抱えて笑っている。
「これが笑い転げるってやつだな…。」
何を笑っているのかは、私にはさっぱりわからないが、笑い方を見ているだけで私も吹き出してしまう。
おかしくてたまらないのが、全身から伝わる。
なんて楽しそうに笑う人だろう。
わりと小柄な人だけど、おそらく先輩。何年生かな?
童顔で、大きな目は垂れ目。こげ茶色の髪は軽くパーマがかかっているようだ。
少年みたいな人。
なんとなく、気になって目で追う。
すると急に、その笑い袋さんは逆立ちの練習を始めた。何度も何度もチャレンジしている。30秒を目指しているようで、まわりの男性陣が「いーち、にー、さーん、しー…。」と、数を数え始めた。
なぜ逆立ちを?
あとからわかったのだが、彼は体育専攻で器械体操の試験があるらしく、倒立30秒をクリアしなくてはならなかったらしい。
転んでも爆笑してる。
変な人だなぁと思う。
全体でウォーミングアップした後、丸くなって全員が集合する。すると、みんなの前で逆立ち笑い袋の先輩が話を始めた。
彼は4年生のキャプテンだった。
威厳があるタイプではなく、信頼されてる感じの「お人好し」なタイプだと思った。
その後は各種目に分かれて練習が始まるのだが、キャプテンは小柄なのにハンマー投げの練習を始めた。
遊んでる。
投てき種目を舐めているのか。
4年生なのでバリバリの現役選手からは退き、今は自由にいろんな種目を遊んでいるようだ。キャプテンは、もともとは中距離の選手で、かなり速かったらしい。私と同じ種目だったんだな、と思った。
その程度の印象だったキャプテンを、私はそれからも特に意識したわけではない。
たまに帰り道、駅前のスーパーで今川焼きを買い食いしているところをキャプテンに目撃されて、めっちゃ笑われたくらいで。さすがに寝転びはしなかったが。
キャプテンも私を、賑やかな新入女子部員の中の1人としか思っていなかったと思う。
お互いが、たくさんの部員の中のひとりというだけの存在だった。
なんとなくキャプテンを意識するようになったのは、自分たちの大学で大学対抗の競技大会が行われる前日のこと。
ダメダメ、その話は割愛!
キャプテンだった先輩は夫となり、ずっと今も私の横にいる。
もう、一緒にいて35年ぐらいになる。
めっちゃ好き好き言うタイプではない私だけど、「先輩(夫)が横にいなくては困るなぁ」とずっと思っていた。
今でも、そう思う。
これからも、そう思うんだろう。
もうすっかり、私は彼を「お父さん」と呼ぶが、たまにまだ「先輩」と呼んでしまう。そんな時はアオハルみたいで、ちょっとくすぐったい。
もう無理無理、おしまい。
限界です。こんな感じて大丈夫でしょうか。
コッシーさん、なんて恥ずかしい企画でしょう。でも昔を思い出して、夫を、寝転ぶくらいにめっちゃ笑わせたくなりました。
願わくば、息子よ、読まないでください。noteをはじめる時にいろいろ手伝ってくれた息子だけは、私のアカウント名を知っているので。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。