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Stevie Wonderとビールと。

時計が12時を指す少し手前。
新たにゲットしたStevie Wonderのアルバムに針を落とし、空に浮かぶ綿雲を眺める。
読みかけの沢木耕太郎のルポを開き、とっくに冷めてしまっているコーヒーを飲み干す。
これほどの幸せがどこにあろう。
最近、Fulfillingness' First FinaleとSongs In The Key of Lifeを立て続けに手に入れたのだ。

Stevie Wonder の『Fulfillingness' First Finale』は1974年にリリースされた、『Talking book』,『Innervisions』に続くアルバムで、通称「三部作」の最終章として知られる非常に名高い「名盤」である。

前作、前々作はソウル、ファンク、レゲエ要素が強かったのに比べて、本作は落ち着きを払った曲調が多いように感じる。
それもそのはず。彼は前作『Innervisions』を世に送り出した直後、交通事故に合い生死を彷徨ったのだ。どうやらその間に彼は悟りを開いたようだ。

『Fulfillingness’ First Final』には一切の淀みがない。
無論一曲一曲も素晴らしいものだが、一つの「アルバム」として見たとき、はじめて本作品の真髄に達することができる。(私見)
非常に中毒性が高いのでご注意を。
聴く際、アルコールかなんかを携えるとなお良し。

本アルバムの2年後には『 Songs In The Key of Life 』を発表し、不動の地位を獲得する。
このアルバムもとにかくすごい。
ソウルの域を超えた、彼にしか作れないであろう傑物である。
スティーヴィーワンダー入門にはもってこいなアルバムだ。
ポップな要素も含んでおり実にとっつきやすい。

実を言うと、これまで私はStevie Wonder をあまり聴いてこなかった。
特段の理由はないのだが、どこか固定観念が働いていたのだ。
(この件について詳細に述べてしまうと、私のような人が必ずや出てきてしまうので、ここらで留めておく。)

ただふと、このまま彼を通らず生きていくのかと考えると、いてもたってもいられなくなる。

この自粛期間中、思い切って聴いてみようと心に決め、いざ流してみると、なんの変哲もないちっぽけな部屋が一瞬にして異空間へと様変わり。

まさに恍惚の境地である。
彼の歌声に一人心酔し、気付いたとき、目の前には「聖なる男」が。。

さあ、みんなでStevie Wonder の世界に溶け込もう!

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