【アイドル】夏フェスのYOASOBIの破壊力が凄まじすぎた件
8/13、5日間行われた名物フェス「ROCK IN JAPAN FESFIVAL」の最終日に参戦。
この日の目当ては全体的だったが、強いて言うなら10-FEETとYOASOBI。YOASOBIで聴きたかったのはもちろん【あの曲】。
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この日は台風の接近により開催が危ぶまれたか、無事開催。
だが天気は不安定で午後3時頃、雷雲の接近でライブを一時中断し避難。避難勧告が出た途端にゲリラ豪雨に見舞われ30〜40分ほど降ったが、結果として雷は落ちることなく無事最後まで全アーティストのライブが行われた。
その後は降ったり止んだりを繰り返し、直前のVaundyまでは雨が演出のように降っていたがYOASOBIが始まる頃には止んでいた。さすがは「ライブのMCで手を上げた観客を指したら偶然神木隆之介たった」ikuraちゃんである。
「水星の魔女」主題歌「祝福」に始まり、YOASOBIの出世曲となった「夜に駆ける」とヒットチューンを連投。本編ラストの「アドベンチャー」でステージを後にすれば、観客全員がこう思っていただろう。
「アンコールで【アイドル】」だと。
同日出演していた鈴木愛理さんがメドレーで【アイドル】をカバーしたり(以前TV番組で披露している)、各アーティストが繋いできたライブの熱気と「一時中断したものの最後まで無事フェスが出来る」と伝説のフェスの渦中で聴けるこの状況下、更に【アイドル】への期待が膨らむ。
スクリーンを駆使した先鋭な演出に壮大なレーザーが5日間行われたフィナーレの合図。入りのライブアレンジはYOASOBIのYouTubeに上がっているライブ映像と同じ。
一瞬の沈黙を作り、ikuraちゃんが「無敵の笑顔で荒らすメディア」と歌い出せば、それは伝説の始まりだった。
ikuraちゃんは可愛らしい童顔系のルックスと聴きやすい軽快な歌声に反して”自力で掴むイケイケの強い女”という印象で、それまで散々隙あらば煽っていたikuraちゃんだが【アイドル】ではそういった素振りを見せなかった。
「星野アイになりきっているから」と言うよりは、言わんばかりの「【アイドル】を知らないやつはいねえよなあ!?」と同時に「あんたの【推しの子】になってやる!」と「この場にいる全員YOASOBIの虜にさせてやる」と絶対的な自信を感じた。
「待ってました!」と四方八方、全ての観客が熱気のまま音源以上のコールで応える。
普段はネクストブレイクの界隈にいるため、曲が売れてアーティストの人気に火がついた頃にライブを見にいくと「曲(客)の熱量にアーティストに負けている」と感じることもたまにあるが、YOASOBIはそんな次元では無く、格が桁違いだった。
曲を出す度に高いステージにステップアップする。2人が上がった途端、過去に固執し高みの見物をしているのではなく、次のステージとして培ってきた結果と自信を全て曲に、アニメなどのタイアップ曲であれば作品に、そしてライブに還元している。
猛スピードで国を世界を背負う程駆け上がってきた2人だが、そのサイクルを体現したかのように感じたのがこの【アイドル】だった。
これがYOASOBI本来の強さだと思った。
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「得意な笑顔〜」からのCメロで、不自然なタイミングで歓声が上がる。私も上げた。
ステージのメインスクリーンに一番星のように現れたのが星野アイだった。
そして大きく映ったアクアの*(目)とルビーの*(目)。
伝説のフェスの渦中で、伝説のアイドルの登場。一瞬にして心が攫われる。
だからだ、ライブ映像ではikuraちゃんが「星野アイみたい」と思ったが、ロッキンでは「星野アイには憑依していない」と感じたのは。
星野アイが出てきたからだ。
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実際にライブで【アイドル】を聴いて思ったことは、曲に対して作り手(Ayaseさん)の認識と観客の認識に全くズレが無い。
この日は長年ロックバンドの一線を走り続けてきた10-FEETやアジカン、ハロプロ所属のアイドルや、Vaundyやyamaなど令和のJ-POPを代表するボーカリストが一同に集う異文化交流戦である。
なのでドルヲタの比率は別日や他のロックフェスに比べては多いもののそれは絶対値で見た場合であって、客層を見る限り8〜9割ほどが非ドルヲタである。
この曲は人数にすれば約2万5000人ほどであろう非ドルヲタを一瞬にしてドルヲタにしてしまったのである。
「いつかきっと全部手に入れる私はそう欲張りなアイドル」と言うままのように、従来のYOASOBIファンだけでなく、この場にいたドルヲタ、ロックキッズ、フェスが好きな人、あの場にいた肩書きを持つ全ての人間を、トップを駆け続けるYOASOBIの圧倒的破壊力と、星野アイの強烈なスター性により、熱気の渦に巻き込まれた。
勢い止まらず歴史的ヒットを記録中の【アイドル】。
雷雨接近で一時中断となるも、たったの45分押しで無事全アーティストのライブを完遂。
運営スタッフの英断と絶対に諦めなかった機敏な行動、そして再開後も”最後まで出来る”と信じてライブをしてくれたアーティスト、その熱気とプライドと魂を受け継ぎ、快進撃を飛ばし続けてきたYOASOBIによる大団円で2023年8月13日の「ROCK IN JAPAN FESFIVAL」は完全なる伝説的フェスとして完封。
青空が見え隠れしてまるで晴れと雨が戦っているような天気ではあったが、結果的に一切の被害が無くその後に降っていた雨もまるで演出のような雨ばかりで、なんだか天に守られているようだった。
フェスに出演したアーティスト、関わった全てのスタッフさんに感謝の「祝福」と拍手の【コール】を。