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”おいしく出来ますように” ハンドピックについての考え方 Artisan Coffee Roaster's voice
時々お客さんに聞かれることの一つにハンドピックについてがあります
どんな基準で?
どうしてもピックアップしなくてはいけない豆。
また、その影響がとても大きい豆(もし混入していた時にはその味、香りなどが大きく影響してしまう)。
石などの異物は、ピックアップしています。
それ以外については全ては取り除きません
それこそ経験に裏打ちされたバランス感覚で決めています
ピックアップするにしても潰して香りや潰れ具合を確認します。
そして経験として積み重ねてその後の焙煎(ここではハンドピック)に活かすようにします。
潰れ具合によっては、硬い豆なのかどうか(よく焙煎できているのか)...
指で潰れないほど硬いのは焙れていない豆なのです
香りは他の豆と同じなのか...
など、その見た目と香り、潰れ方で良い豆かどうかの判断材料としています
また、コーヒーは人間と同じで、色々有ってのその珈琲の味わいなのです
極端な言い方をすれば、悪いところを全て取り除いてしまっては、あまりにのっぺりした味わいになってしまって深みやおもしろみに欠けてしまいます。
これは人間についても同じことが言えますね(笑)
特に豆の大きさが不揃いな、マンデリンやモカ。
これらの豆は良い豆だけでなくグレーゾーンの豆をどのくらい残すか
それによって(そこはロースターの腕の見せ所なのですが)味わいが大きく異なってしまいます
全て取り除いてしまった豆が本来の味ではない事は容易に想像できると思います
例えば、みかんを食べる時
傷んでしまった房は食べませんよね
これがピックアップする豆です
でも、不揃いだけど小さい子どものような房は食べますよね
ちょっと酸っぱくって若い味わいだけど捨てる事はしませんよね
それはそれでみかんの味の一つだからです
これはピックアップしない豆です
でも、あまりに未熟なものはピックアップしますけど...
そのバランスを経験で磨いていくのです
そうして出来上がった豆がロッセの珈琲となっています
巷ではダメな豆は全てピックアップ
でも、なにがダメな豆?と思ってしまいます
また、ピックアップした豆はゴミではありません
有機物ですので有機肥料の元になりますよ
ロッセでは捨てずに、自宅のコンポスト化容器に入れています
いつの日か土に戻って無駄にならないように
せっかく多くの人の手を経て海を渡ってやってきた貴重なコーヒー豆ですからね
2012年4月21日
2023年3月14日加筆