Observing the devastating coffee berry borer (Hypothenemus hampei) inside the coffee berry using micro-computed tomography
Journal: Nature(Impact Factor:42.8)
Author: Ignacio Alba-Alejandre et al.
Published: 19 Nov 2018
Abstract
コーヒーベリーボーラーはライフサイクルのほとんどをコーヒーチェリーの中で過ごす。マイクロCTでチェリー内部のボーラーの発達段階を観察した。
Introductionからの学び
・コーヒーベリーボーラーはゾウムシ上科キクイムシ科の仲間
・メスはライフサイクルのほとんどをコーヒーベリーの中で過ごす。オスはコーヒーチェリーの中で生まれて死ぬ。そのため、ライフサイクルについての解明が困難だった。
・成虫のメスがコロニーメスとなり、花のディスクだったところから穴を開けてチェリー内に入るところからライフサイクルが始まる。
・メスはコーヒーチェリーに入り、ギャラリーを作り、そこで産卵する。幼虫はコーヒー種子をエサとし、メスが成虫になると兄弟と交尾する。
・オスはメスよりも小さく、痕跡の羽と初歩的な目しか持たない。オスの主な役割は交尾。
・これまで、ガラスプレートの中で人工的に繁殖させる研究は行われてきた。植物の高解像度CTは2003年に最初に発表された。
Material&Method
・コーヒーはベトナムのカネフォラ種を使用した。
・コーヒーチェリーの入り口の穴は1個である。
・実験室でベリーボーラーを固定する(生きたままCTスキャンするわけではない)。
Resultsからの学び
1つのコーヒーチェリーの中に異なる発達段階の虫が複数いる。例えば26匹の幼虫、12匹の蛹、8個の卵が存在していた。穴は下図のbのehである。2粒のコーヒー豆のうち、1粒にしかいない。
卵は表面から遠く(コーヒーチェリーの内部)にあり、幼虫、蛹が続いた。有意に場所が異なっていた。
Disucussion
さらなるCTスキャンがベリーボーラーについて解明してくれるだろう。
所感
★★★★★
コーヒーベリーボーラーというコーヒーに深刻な被害をもたらす害虫の生活環を明らかにしたシンプルでわかりやすい論文だった。おそらく著者は昆虫の研究者であり、コーヒーに関する記述はほぼなく、虫に関する記述だけだった。植物体に存在する昆虫のCTスキャンを昆虫が生きたまま実施できれば、1匹のメスの一生を理解するのにさらに役立つと思ったが、それは難しいのだろうか。