Grafted coffee increases yield and survivability
Journal: Hort Technology(Impact Factor:0.668)
Author: Roxana Myers et al.
Published: 11 May 2020
Abstract
・コナティピカはネコブセンチュウの深刻な被害を受けている。
・7つの台木のうち、4つのリベリカ台木の圃場での有効性が確認された。
・植え付けから13年後には、接木していないコナティピカの81%が枯死した。
序文からの学び
・コナティピカは本当はグァテマラという品種だが、商業的にコナティピカと呼ばれている。
・線虫により、葉の黄変、落葉、枯死、根のかじりや壊死が生じ、重大な収量の損失が起こる。
・中南米ではネマヤというロブスタが線虫抵抗性として使われており、エルサルバドルでは78%の耐性または抵抗性を示している。ブラジルではアポアタという同じくロブスタが線虫対策の台木としてよく利用されている。
・ロブスタとリベリカは他家受粉のため、子孫の線虫抵抗性が分離してしまう。
Material & Methodからの学び
・線虫はトマトの畑から採取した。
・実験には、各4本×4プロットのコーヒーの木を使用した。
・収量は約20日に1回のペースで収穫して計測した。
・生育データは幹の円周と直径、木の高さと最も高い垂直枝の高さ、健康評価0~5(0が病気)を測定した。
結果からの学び
台木の種類別コーヒーの収量の結果は以下の通り。
木の高さと健康評価の結果は以下の通り。
カッピングスコアはSCA方式で81~83.75(コントロールのコナティピカは83.5)であり、どれも良質なカップであった。
Discussionからの学び
・ネコブセンチュウを根絶させる方法がないため、コーヒーにおいて接木によって対策することは非常に重要な技術である。
・Fukunagaはポット試験でも効果があった。(Cabos et al., 2012)
・リベリカの根は虫こぶが少なく、線虫の発達と繁殖を制限していることが示唆された。(Arango et al., 1982)
・ブラジルで有効なアポアタはコナでは効果がなかった。地域ごとのスクリーニングが重要。
結論
ハワイでコナティピカをアルノルディアナやフクナガを台木とした接木を行うことは、コナコーヒーのネコブセンチュウ対策の長期的解決策となる。接木の初期投資は、寿命の改善と収量の増加によって相殺される。
所感
総評★★★☆☆
Introductionを読むとネコブセンチュウの概要が理解できてよかった。Discussionの内容がよかった。圃場試験でクリアな結果を出すのは難しいとは思うが、もう少し熱心に取り組めばもう少し成果が得られたのではないかという印象を受けた。
出典
https://journals.ashs.org/horttech/view/journals/horttech/30/3/article-p428.xml