エチオピアカッファ地方の珈琲豆専門店にした理由
珈琲豆専門店なのに豆は1種類
珈琲豆専門店なのに、1種類の豆しか扱っていないお店って聞いたことがありますか?
私のお店は、エチオピアカッファ地方の小規模農園、デンカラムさんのお豆だけを扱う珈琲豆専門店です。
エチオピアでの原体験
2019年、コロナが流行する直前の年末年始にエチオピアに行きました。旅の目的はコーヒー生誕の地であるエチオピアへ足を運び、現地のコーヒー文化について学ぶことと、いくつかの民族を周り彼らの文化について学ぶことです。コーヒーは、生産地ではあまり飲まれずほとんどを輸出するというのは良く聞きますが、エチオピアでは半分を自国で消費するというコーヒー文化。コーヒーを飲むためのセットが常に用意され、コーヒーのある所に人が集まり、コーヒーを飲みながら会話をします。
焦がし焙煎がエチオピア流
コーヒーを飲むときは、まず鉄鍋で生豆を煎るところから始まります。鉄鍋で煎り終えた豆は正真正銘に焦げた豆でした笑
そして黒い豆からクリーム色の豆までなんとも鮮やかな状態。エチオピアではこの煎りムラで味のバランスを取っているんだそうです。日本では、やれガス圧だ、やれ温度上昇だとやっているわけですが、こんな所にも文化の違いがあるんですね。私ももっとラフに焙煎してみようかな。
最後に豆を砕いて沸騰したお湯に入れてぐつぐつと煮出します。衝撃的な工程ばかりでしたが、その味わいは、とにかく甘いんです。口にした瞬間果実のようなフルーティーさが爆発、その後にキャラメルのような甘い余韻が続き、後味はすっきり。今まで飲んできたコーヒーはなんだったの?と思う位まるで別ものでした。現地で何杯も飲んだエチオピアのコーヒー。あの美味しさとおもてなししてくれた現地の人、農園で働く人たちの笑顔が忘れられなくて、あの味を再現するために自分のエネルギーを投入しようと決めました。
もうひとつ、エチオピアカッファ地方に限定した理由があるのですが、また改めて記事にしていけたらと思います。
最甘手法で焙煎
原種のコーヒーが手付かずで育つエチオピアカッファ地方。農薬や化学肥料を使わずにコーヒーの木が自生しています。そして、真っ赤に完熟した実だけを手摘みして、皮付きのまま天日乾燥。その過程で糖度が増し、果実の甘みや香りが豆に残ります。甘みと香りは、焙煎によってどんな味わいにも変化するので、温度上昇率、排気、ガス圧、焙煎時間、大きく分けてこの4つを少しずつ変えながら、甘みを最大限に引き出せるポイントを探るために日々焙煎テストをしています。
その日の気温や天気に大きく左右される焙煎は、まさに豆との戯れなり。私には焦がし焙煎をマスターする勇気はありませんでした笑
おいしい珈琲は飲む人を幸せにします。同時に、珈琲の木を育てる農家さん、生豆を作る生産者さんも幸せになりますように。
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