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コーヒーとの出会い① |カフェのある日常


コーヒーを知るキッカケ


-----------------------ー回想ー-----------------------------
両親はコーヒーを日常的に飲んでいた。

どこの製品化はもうわからないけれど、臙脂色のツヤっとしたプラスチック素材が可愛いコーヒーメーカーを使っていたと思う。

コポコポと抽出の音が鳴り終えると、二人はマグにそれを注いで、「はぁ~・・・いい香り♪」と言う。これがコーヒーが入ったときの両親の口癖だった。

まめ子は当時まだ小学生だったので、「コーヒーの味が分かるのはまだまだ先だね」とか、「これは大人の飲み物だからね」と言われていた。

まめ子は飲めない謎の黒い飲み物をまだ飲めないのがちょっぴり悔しくて、そんなわたしの姿を見かねた両親が、「じゃぁ、代わりに。」と、スーパーでコーヒーゼリーを買ってくれた。
黒いゼリーに浮かべるポーションミルクが魔法の文様のようで、小学生のくせにプリンよりも断然コーヒーゼリーが大好きになった。


カフェ文化の衝撃

まめ子は高校生になり、その日は母と少し遠出をしていた。
母はあまり外食をするタイプではなかったけれど、お出掛けで少し高揚していたようで「まめ子ちゃん、カフェに行こっか。お母さんコーヒー飲みたくなっちゃった。」と誘われた。
この頃には、かつて家にあった、
あの臙脂色のコーヒーメーカーは壊れてなくなっていたと思う。


でも、まめ子は全部黒いタイプのコーヒーなんて、
飲めないんではなかろうか???
カフェに入ったところで、わたしに飲めるものがあるかなぁ。

田舎でカフェ文化に馴染みがとんと無く、ファーストフードのメニューラインナップかファミレスのドリンクバーぐらいあればイケるか?ぐらいの感覚だった。

立ち寄ったのは横浜にあるカフェだった。そのカフェチェーン店は今でこそ店舗数は増えたものの、当時はその名前を街中で見なかったように思う。

「こんにちはー!こちらにメニューがございます。当店のご利用は、初めてですか?」

明るくフランクで爽やかな店員さん、コーヒーを注文する母。
わたしはコーヒーが飲めないけれど、そろそろ飲んでみたい気持ちはある。
店員さんが丁寧に、でもとても話しやすく気さくに説明してくれて、それだったら飲めそう・飲んでみたいと思ったのが " アイスカフェラテ "だった。

甘さもガムシロップで調節出来るし、少量の湯で溶かしたインスタントコーヒーにたくさん牛乳を入れて飲むのは日常でもしていたので、抵抗がなかった。

母もお出掛けしてコーヒーを飲めて上機嫌。
わたしも人生で初めて『カフェ』に足を踏み入れて、
インスタント以外の「コーヒー」を飲んでご機嫌だ。

何より、

明るくフランクな距離感の接客と、開放感溢れる店内。
遠出して、初めて来たのに
不思議とリラックス出来る居心地の良さ。


カフェってすごい・・!!

と、初めて感じたのが衝撃だった。


苦い、やっぱりムリ~!

「カフェインが入ってるから、子どもには・・・って思ってたけど、そろそろいいかもね。一口飲んでみる?」

母が美味しそうに飲んでる「そっち(全部黒い)」も、一応一口もらってみた。
「にーーーーっが!うわっ」
一口でギブアップ。
ブラックコーヒーはまだわたしには早かったんや・・・

カフェ文化は好きだ、だけどブラックコーヒーは苦くて飲めない。

(アシタカは好きだ、だけど人間を許すことは出来ない。みたいな。)

この日はちょっぴり背伸びして、大人になった気分がした。

ほどなくして、家の近所にある商業施設の中に、そのカフェチェーン店が参入することが決まった。


続く▼


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