グリム童話ATM #毎週ショートショートnote
鱈蟹モール一階。
グリム童話ATM前で、二人組が会話をしています。
「今日は白雪姫がいるぞ」
「ヘンゼルもいるじゃないか」
「最近は読書をする子どもが少なくなったからな」
「昔に比べればね。漫画も大変だよ」
「またまた〜。おたくは儲かってるでしょう」
「いやいや。異世界転生ものは飽和状態だし、大変ですよ。あなたは映画に配信に、大忙しだね」
「まあ、それは」
あはは、と二人は朝から楽しそうです。
「僕は今まで堅実に貯めてただけ!」
「まあまあ。放っておこう」
「そうよ。読んでくれる人のために、自分の物語を維持しよう」
「君らはいいよ。知名度もあるでしょ」
「あら。あなたもすごく有名よ」
「そうよヘンゼル。それに」
ほら、と赤ずきんが指差したのは、410字の物語を
作る鱈蟹モールの店員たち。
「彼らがいる限り、物語の世界は消えたりしないわ」
鱈蟹モールでは、今日もたくさんの世界が生まれています。彼らを見ていると、三人はなんだか胸がワクワクしてきたのでした。
(413字)
たらはかにさんの企画に参加しております。
今週は「グリム童話ATM」。
みなさんのグリム童話面白かった……
ただの感想文になっちゃいました。