大阪でコーヒーに触れ、世界を旅し、台北で師匠と出会い、上京して総合商社で働き、中国で心から尊敬できる情熱的な農家に出会い、マニラに住みながら日本の仲間と共に世界一のCoffee Companyを作ろうとしているJapanese Coffee Guyの6年間の振り返り
こんにちは。
早いもので19歳、大学1回生の頃に大阪/梅田のスタバのバイトとしてコーヒーに触れたところから始まった僕のCoffee Journeyは、これを書いている2020年5月時点で7年目を迎えました。
思い返せばこの6年間、煌びやかな成果や成功を収めたことはまだ何一つありませんが、フットワークの軽さを活かして、色んな場所へ行き、色んなものを見て、色んな人と話して、色んなことを経験し、色んなことを考え、各地でコーヒーに没頭してきました。
今日特に何か節目を迎えたわけではありませんが、今一度自分の過去を振り返り、考えを整理し、目指す将来を語ることで、初めましてorお久し振りですな皆様への自己紹介及び近況報告と代えさせて頂ければと思います。
以下、3部構成です。
(大阪のスタバ時代)
①全ては狭いバックルームから
“コーヒーの現場”は世界中にあります。
生産国で言えば、農園や加工施設、研究拠点。
消費国で言えば、街のロースターやカフェ等。
そんな衝撃的な事実を、当時バイトしていた大阪のスタバの狭いバックルームで、先輩に淹れてもらったVERONAのハンドドリップを飲みながら読んでいた本から知った私は、居ても立っても居られなくなり、以降、だだっ広い世界中の”コーヒーの現場”に足を運び続けるようになりました。
・現場の全てを五感で感じること
・そこで働く人との出会い
1500円ぐらい払ってコーヒーに関する本を1冊買えば、一般的な知識や情報を得ることは出来ますし、ネットなら無料で色んな情報にアクセスできます。しかしこの2点は、本やネット上の文字ベースでは絶対に得ることが出来ません。
農園の雰囲気や景色、農園での作業、農家の人たちの暮らしや住まいや食べ物、加工場や倉庫のにおい。
消費の地であれば、各国各都市の様々なコーヒー文化や流行りのカフェのスタイル、個性的で尖ったバリスタやロースターとの出会い。
そして各地のコーヒー産業の中で奮闘する、エネルギッシュで野心溢れる起業家との出会い。
それぞれ全く景色の違う各現場を次々と旅していると、自分が今いるここが、そして自分が本当に同じコーヒーのサプライチェーンの中に属しているのかと、ふと不思議に感じることがあります。
インドネシアで意味わからん淡水魚を食べて過去最高にお腹を壊した状態で農園をまわり、ジャワ島へ向かう夜行バス及び夜行フェリーに揺られた旅(最悪)も、
ベトナムで財布をなくしたことにバンコクの空港で気付き、たまたま出張でバンコクに来ていた大学の先輩に3000バーツを借りて飢えを凌ぎながらチェンライに移動し、事務所に到着するやいなや農家の方に事情を説明しまずはカレーをご馳走になった旅も、
遥々訪れたオーストラリアのマリーバにあるコーヒープランテーション地域で衝撃的な風味(Soy sauce)を持つコーヒーをテイスティングした旅も、
ロサンゼルスのビーチで太平洋を眺めながら、サードウェーブの最先端を体感した気になっていた自分に酔った旅も、
イギリスで紅茶に浮気した旅も、
香港や上海や北京やシンガポールや台北やマニラで非常に洗練されたロースター、バリスタ、そして起業家に出会った旅も、
中国の農園で、彼らと、彼らの育てる豆で次の世界一を目指したい、人生を懸けてサポートしたいと思った農園に出会った旅も、
いくら本を読もうが、ネットを漁ろうが、どれひとつ代替することも疑似体験することもできません。
どれも五感を刺激に刺激され、本当に色んな人に出会えたかけがえのないCoffee Journeyです。
(ちなみにインドネシアの意味わからん淡水魚の一件以来、お腹を壊すことがなくなりました。生産国の農園への道中に吉野家やマクドなんぞございませんので、今から壮大なCoffee Journeyに出発される予定の方はまずインドネシアで意味わからん淡水魚を食べてお腹を鍛えるのも一案かと思います。)
(中国の大好きなコーヒー農園にて)
冗談はさておき、浅く広くではありますが、それでも比較的早い段階で世界中のコーヒーの現場を訪れたことは私にとって非常に良かったですし、1つ1つの旅や出会いや気付きが、今の私のコーヒー観を醸成しています。
一方、現場での景色は綺麗なものばかりでなく、各地を訪れていく中で、農家の方が生活に困っている様子、サプライチェーンの川上側(生産者)と川下側(バリスタ)のコーヒーに対する温度差、等も見たし感じたのですが、これについてはまた次回以降。
とにかく、コーヒーの世界は広いです。
去年の9月からフィリピン/マニラにいますが、こちらに来て8か月程経った今でも、コーヒーを通じて日々新しいモノや人に出会えます。
とりあえず外に出てみること。この大切さを20歳の頃に気付けて良かったです。
(Japan Coffee Festival出店時。カズ(右側)と8時間休憩無しぶっ通しでひたすらお客さんと話しながらコーヒーを淹れ続けました。売る方も買う方も楽しく、がやっぱり商売の基本。次のステップは、売る方も買う方も作る方も楽しく。)
②きっかけを作るのはやっぱり”人”
ここからは、"きっかけの話”と少しの"今後の話"です。
コーヒーはとても魅力的です。深いし、ロマンがあります。
でもそのコーヒーの魅力に気付く瞬間って、おそらく人が絡んでいるはずです。
冒頭に少しだけ書きましたが、僕の壮大なCoffee Journeyをスタートさせたのは、紛れもなくスタバに入りたての頃に1個上の先輩がバックルームで淹れてくれた1杯のハンドドリップです。
もう7年も経ちますが、人が人の為に淹れたコーヒーはこんなにも美味しいんだと、とても驚いたことを今でもはっきりと覚えています。抹茶クリームフラペチーノXWCから卒業した瞬間です。
コーヒーに触れたばかりの時もそうですし、その後コーヒーに対して、なんと言うか、ギアが1段上がった瞬間にもやっぱり人が関わっていたなあと思います。
皆さんはどうでしょうか?
今まさにコーヒーにハマっていて、コーヒーが大好きだという人も、
コーヒーが大好きだし、仕事でコーヒーに携わっていて、今後もっと深く関わっていきたいという人も、
そんなに詳しくは無いけれども好きだよという人も、
好きになった、または本気になった、ギアが一つ上がったきっかけの場面には人が絡んでいたのではないでしょうか。
缶コーヒーやインスタントのスティックコーヒーを飲んでいたのに、街の専門店に行くようになったのは何がきっかけだったでしょうか。
人を動かすのは、やっぱり人です。
人を動かせる魅力と能力を持った人間が、コーヒーを通じて、人に影響を与え、楽しませたり、安心させたり、1日を豊かにしているのです。
こういう人をバリスタと呼ぶのだと思います。
人々に何回このような”きっかけ”を与えられたかというのは、バリスタチャンピオンシップでは競われていませんが、本来は最も意識すべきポイントだと考えています。
コーヒー業界のみならず色んなものが無人化され単純なマンパワーが従来よりも要らなくなってくる中で、敢えて店に人を置く意味、バリスタの本当の価値が問われる時代が来ています。
こんな時代だからこそ私は、とことんHumanityにフォーカスして、人々にきっかけを与え、惹きつけることができる、どこよりも魅力的で最高のバリスタ集団を長い時間をかけて今後組織していきたいと思っています。
そして彼らを中心に人々を惹きつけて、最も大きいわけではないけれども、最も強固なコーヒーコミュニティを作ります。
諸々は順次アナウンスしますが、もしこのタイミングで既に興味があるという、もの好きな方いらっしゃいましたらインスタから是非連絡ください。もの好きなあなたと私達もぜひお話ししてみたいです。
(見開き2ページ掲載頂きました。偉そうに語りました。)
③ 蒸らしの時間
「何で俺は遥々インドネシアの山奥にまで来て、こいつと一緒に腹壊してんねやろ」
私がまだ大学生で大阪のスタバでバイトをしていた頃、同じ店舗に2個下の後輩が入ってきました。
いつかの休憩時間にその後輩に何気なく、「俺今度2週間ぐらいインドネシア行って農園回ってくるで」と言うと
「丸山さん、どの飛行機ですか?僕も行きたいです。今から飛行機予約します。パスポートもすぐ申請してきます。」と。
それから数週間か数ヶ月後、安いエアアジアの飛行機に乗って出国。2人とも激しい腹痛に苦しみながら、山奥の夜道で野良犬に追いかけ回されながら、インドネシアを駆け回っていました。
突然なんの話をしているかと言うと、題名にある仲間の話です。
新里龍海(Instagram: tatsumi0606)です。
(インドネシア/Trunyan村にて)
こんな感じでスタートした新里のCoffee Journeyですが、その後1年間の中米滞在や、Q grader取得等を経て一層頼もしいCoffee Guyとなりました。
クズですが、とにかくコーヒーには熱い男です。
(インドネシア/農園付近の綺麗な湖。標高は1100m程)
私達は川上から川下まで世界各地のコーヒーの現場を飛び回ることで、今のコーヒー業界のここは素晴らしい、でもここはおかしいと思う、自分の実現したいコーヒーはこうだ、そのためにこういうスケジュール感でこんなことをやっていかないといけない等々、様々な考えや意見を持つようになりました。
結局自分がコーヒー産業で何をやりたいのか、何を維持して何を変えたいのか、その為には何が必要なのか、どのタイミングでどれぐらいのリスクを取らないといけないのか、昔はまだぼんやりとしていたものが、今は少しずつではありますが、日に日にクリアになってきています。
大阪のスタバのバイトからスタートした私達の壮大なCoffee Journeyは、まだまだ始まったばかりです。目指しているところはとてもとても遠いです。
私達が目指しているのは、街のオシャレなカフェでも、ただグリーンを卸すだけのインポーターでもありません。
題名に記載の通り、農園からカフェまで、世界一のCoffee Companyを作ります。
中深煎り中米産の安定感と言いますか、万人受けする落ち着いた感じは皆無ですが、浅煎りの、極めて個性的で尖った風味を持つ我々というコーヒーを、日本中、アジア中、そして世界中の皆様にお届けします。
今はまだ蒸らしの段階です。短いようで長い30秒ですが、焦らず、しかし機は逃さず、最高のタイミングで抽出します。
是非、カップを温めてお待ちください。
引き続き宜しくお願い致します。
長々と読んで頂きありがとうございました。
(ご感想等、インスタのDMにて頂けると嬉しいです。皆様からのご連絡お待ちしています。)
丸山伶介
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