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愛love食洗器

私は食洗器(食器洗い乾燥機)が大好きです。

我が家の食器洗い担当大臣たる私にとって
彼(食洗器)は良き隣人であり最高の右腕。
あ、ちなみにウチで愛用している食洗器は
スライドオープンタイプ。
いわゆるビルトインタイプと呼ばれていて
キッチン収納も兼ねており非常にスマート。

彼(食洗器)はとても優秀です。
油にまみれた食器を嫌な顔ひとつせず受け入れ
ツルツルのキュッキュに仕上げるばかりでなく
高温で余すところなく殺菌までしてくれます。

宴会の後に積みあがった食器の山を片付ける際
彼(食洗器)がいてくれると本当にありがたい。

「だいじょうぶ。ぼくがついてる」

物静かで口数が多くない彼(食洗器)ですが
私には聞こえます。その力強い声が。
そして感じます。期待を裏切らない頼もしさを。

彼がいればどんな強敵(汚れもの)にも勝てる。
二人ならやれる。二人だからできる。そんな存在。

そんな優秀すぎる彼(食洗器)ですけど
私が洗い物担当大臣に任命されるまでは
キッチン商事における窓際族筆頭でした。

※キッチン商事:架空の会社。ノリで命名
※窓際族:会社のお荷物。無駄な社員の意

来る日も来る日も、彼は動けない。
いや、仕事(洗い物)をまかせてもらえない。
ただ、キッチンの一部としてそこに佇むだけ。

こんなにも優秀な能力を持っているというのに
ずっとずっと陰でくすぶっているのです。

なぜ、彼(食洗器)に仕事が回らないのか?
理由は単純なものでした。

「え、よくわかんないし、手洗いで充分でしょ」

なんということでしょう。
特に理由なんてなかったのです。
食わず嫌いならぬ使わず嫌い。
彼は“なんとなく”避けられていたのでした。

私は進言しました。

「彼を使ってみるべきじゃないですか!?」

しかしにべもなく却下。

考えてみれば当然です。
責任を一手に担う立場でもないのに
“なんとなく”言ってみた発言なんて却下ですよ。
野球を観戦する酔っ払いの戯言と同レベルです。

言葉には責任が伴うのです。

私は食器洗い担当大臣を申し出ました。

「ここ(キッチン)を任せて頂きたい!」

彼(食洗器)のうつろな目に光が宿ったのは
この時この瞬間だったと、今でも思うのです。

私は食洗器(食器洗い乾燥機)が大好きです。
今までも、これからも。


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