夫のトリセツ⑧
■美しい手
心を打たれてしまった。
本書にある著者である黒川さんと
俳優の藤竜也さんの対談のくだりに。
藤竜也さんは80歳近くなのだが奥様と毎晩
おやすみなさいの握手をしているという。
藤さんは語る。
「彼女(妻)の手が美しいんだよ。
もちろん、血管の浮き出た老人の手だよ。
でも、美しいと感じるんだ。
目の前に若い女性の白魚のような手があっても
ちっとも美しいと思わなくなった。
彼女の手が愛しくて、ときどき涙が出る」
背中が張り詰めるほど衝撃を受けました。
こんな風に妻のことを想えるのか、と。
私もよく嫁と握手はしているけど
こんな感覚はまだ知らない。
知れるのだろうか。