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焼肉食べ放題→ラウンジでギムレット

東梅田の焼肉店にて、19時から友人と食べ放題。昨日買ったばかりのTシャツと柄のシャツを着て行った。店内は真っ白な煙が隙間なく漂っていて、全身に油っこい匂いと手触りが染みついていくようだった。あと1日我慢できればよかったのに。新品の洋服で来てしまったことを本当に後悔した。

友人は4分くらい遅れてやってきた。当日急にキャンセルしてその後音信不通になる、みたいなパターンが頭をよぎって内心ちょっと冷や冷やしていた。外見上ぱっと見は特に変わりなさそうだったので、ひとまず安心した。

食べ放題なんてどれくらい振りだろうか。2人でたらふく肉を食べ、他愛のない話でたくさん笑った。互いの近況と共通の友人たちの噂話。馬鹿みたいな量の注文をしてしまって、アルコールは梅酒1杯が精いっぱいで、あとはソフトドリンクばかり。牛タンとバラ肉が一番美味しくて、今の会社に入ったばかりの頃がすごく懐かしくなった。

俺が何の気兼ねもなく連絡を取ろうと思える同期たちは、文字通り一人残らずいなくなってしまった。こいつもその一人で、その中でも最も危うい消え方をしたのが、こいつだ。彼はその危うさをそっくりそのまま引っ提げて、ずっと生活を続けている。「何かしないとガチであと2か月の命。俺は消費者金融へ行く」なのだとか。

めちゃくちゃ働ける奴だったから、正直、すごくもったいないなと思っている。毎月の生活に必要な最低限の金額は、バイトでもなんでもいいから、とにかく手に入れるようにして欲しいと思っている。それだけ守って、あとは好き勝手にしてほしい。お決まりの「アルバイトは効率が悪いからやらない」みたいな美しい反論が来ておしまいなのだが。

どこからどこまでが本心なのか。こいつにどんな気持ちが根を下ろしてるのか、俺にはわからない。だから俺が何を言っても無駄なのだ。それはわかってるけれど、内心鬱陶しがってるかもしれないけれど、それでも会う度に冗談めかして忠告をせざるにはいられない。俺が飲みに誘っても返事が返ってこなくなったら、きっとその時が本当に助けが必要な時になるのだろう。

90分はあっという間で、胃袋は完全にホットコーヒーしか受け付けなくなった。21時少し前。店を出てフラフラと次の居場所を探して歩いていると、ホテルのちょっと高そうなラウンジ(バー兼カフェみたいな)を見つけた。

薄暗い店内は広々としていて、品のいいラップとブラックミュージックが流れている。ソファも椅子も机もそのホテルに見合った感じがしていて、さっきの焼肉店とは何もかもが正反対だった。俺は1杯2000円のギムレットを、奴はコーヒーを注文した。レモンなのかライムなのか、柑橘系のさっぱりとした酸味がものすごくおいしかった。

ほんの少し真面目な話題ばかりを選んで、23時半くらいまで飲んでいた。2杯目に頼んでみたマティーニは、俺にはかなり大人っぽすぎた。それこそ焼肉屋の軽く2倍くらいの値段がしたが、大満足だった。きっとまた来るだろう。

終電は残ってたけど、歩いて家まで帰った。楽しい充実した土日だった。遠慮や手加減なく喋れる相手って大切だ。次の飲みは3カ月後くらいかなあ。その時もげんなりするくらい馬鹿笑いできたらいいなと思う。

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