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家族の風景

ハナレグミさん 『家族の風景』の歌詞をLLMに読み込ませてプロットを書き出して、プロットから書き起こした小説です。

人間だけが死に至るウィルスによって人間が激減した世界。
かつての賑わいは影を潜め、荒廃した世界が全てを覆っていた。

たまたま地下にいた人間だけが、その災禍から逃れ生き延びることができた。世界の人口はかつての1/10にまで減少し、生き残った者たちは新たな生活を模索していた。

世界中のインフラは完全に停止し、植物が建物を覆い尽くしていた。
街角では危険な動物がうろつき、人類が築き上げた文明は自然に取り込まれていく。しかし、皮肉なことに人間がいなくなったことで、世界はかつてないほどに美しくなっていた

美咲は、その数少ない生き残りの一人だった。
毎日、生きるために食べ物を探しては歩き回っていた。
ある日、まだ家の形をとどめている家屋に入った美咲はひときわ目を引く写真立てを見つけた。

その中には、どこにでもあるような家族の風景が飾られていた。
優しそうな母親が何かを料理しており、口数の少なそうな父親はキッチンでウイスキーを飲んでいる。

そこには小学生くらいの女の子と中学生くらいの男の子もいた。
振り返ると、キッチンには、今にも4人が飛び出してきそうな雰囲気があった。

美咲は音もなく涙を流し、その家を後にした。
外に出ると、荒廃した世界が彼女を待っていた。
しかし、その写真立てに見た家族の風景は、彼女の心に深く刻まれ、絶望の中にもわずかながらの希望と温もりを感じさせてくれた。

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