
Photo by
hananosu
夕暮れどきを歩いていると
まだ夏は来ないけど
夏が近いのかもしれない
夕暮れ時を歩いていると
空が遠くて
その薄い青に
これまた透けるように白い雲が
刷毛で塗ったように広がっている
その白が途切れたところも
やっぱり関東、以南のような青はない
でもその青に柔らかく広がる
どこまでもうすくうすく広がる
夕焼けの赤というにはあまりにも
儚い色彩が私は好きだ
そうして、夕暮れの香り がする
どうしたって幸せを感じずにはいられない
私は、ここにいるだけで幸せなのに
なんでずっと、遠く彼方にいたのだろう
ただ思うのは、あの人は
父は、ずっとずぅっと
傍にいることを望んでいた
それが叶わなくてもそれでも
皮肉なのは父が亡くなってから
私はこの地に住んでいる
夕暮れはそれをほんのちょっぴり思い出させる
それがちょっと切ないけど
でも、
私はその切なさとかも内包して生きていくよ
きっとそれは愛された、ということだから
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