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マイ・ペース、マイ・リズムでクレープを
何かおいしいおやつを食べたい!
でもお金もないし、外に出る元気もない。
さてどうしよう?
最近行き着いたのは、クレープを作ること、だ。
わたしは一昨年、家にあったオーブン付きの電子レンジを手放してしまったので、スコーンなどの焼き菓子を作ることがなくなった。
となると、フライパンでできるお菓子ということで、ホットケーキを考えるけれど、近所のスギ薬局で売っていた、お気に入りのパンケーキミックス「みたけ食品 大豆粉と米粉のパンケーキミックス」が、取り扱わなくなってしまったようだ。これは痛い。
そんな時、友だちに連れていってもらったお店のクレープを思い出した。
そのクレープは、ジャムやクリームなどを挟まなくても、お砂糖とバターだけで十分おいしかった。
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クレープは何かを巻いたり、塗ったりしないと成立しないと思っていたから、このお砂糖とバターだけでおいしいこのクレープは、わたしにとって衝撃だった。
これだったら、今、家にあるものでできそう!
さっそくわたしはガサゴソと台所を漁る。
ボウルに小麦粉少々。
冷蔵庫に残っていた豆乳。(足りない分は水で調節)
卵1コ。
それから、お砂糖スプーンで1〜2杯。
分量は、はかるのがハードルになってやる気を失ってはもったいないから「クレープくらいかな?」という感じのゆるさになるよう様子を見て。
(おいしい分量を探りたくなったら、その時は量るのもいいかもね)
こんな具合にわたしのクレープ作りはすすむ。
クレープの生地ができたら、寝かせついでにコーヒーをいれる。
コーヒーができて、お気に入りのカップに注いだら、クレープ作りは再開。
クレープを焼くのは、ちいさな鉄のフライパン。
もう、10数年以上前に、ちいさなフライパンがあったらいいなと思って買った、岩鋳のファミリーパン17。
はじめは、扱いが難しくてよく焦げ付いていたけれど、長年使ってきてやっとフライパンとわたしの息が合ってきた。
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フライパンに生地を流すと、すぐに火が通ってしまいそうになるから、慌ててフライパンを傾けて生地を広げる。
フライパンのフチまでいっぱいに広がった生地は、もしやフチにくっついてしまうのではと不安になる。
それから、焼き色がついているかつい様子を見たくなって端っこをめくって見ると、案の定まだなのである。
こんな時のいい相棒が、さっきいれたコーヒー。
コーヒーを飲みながら、ゆっくり様子を見ていると生地の表面が乾いてきて、端っこが自然にめくれてくる。
「その時がくることを信頼するって、大事だよなぁ」
コーヒー飲みながら悟ったフリしてる場合じゃない。
こうなったら菜箸でひっくり返して、またコーヒーを飲みながら焼けるのを待つ。
焼けたら、半分の半分に折りたたんで、お皿へ。
2〜3枚がちょうどいい量かな。
余った生地は冷蔵庫に入れて、また小腹が空いた時に焼けばいい。
てんさい糖とバターを添えて、少し冷めたコーヒーと一緒に。
今朝は、昨日余ってしまった生地を焼いて、たまたま冷蔵庫に残っていたベーコン、目玉焼きを添えてみた。
こんな洒落っ気のある朝食はひさしぶりに作ったから、テンション上がる。
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ま、お店の味には到底およばないけれど、自分のペースで、自分の食べられる量で作れるクレープは、なんだかやさしくて、たのしげで、自由で、それだけで満たされるのだ。
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