SUPREME 松田聖子
今日は久しぶりに松田聖子さんのアルバム「SUPREME」をかけていた。このアルバムは松田聖子さんが最初の結婚をして歌手活動を休止していた時期にリリースされた。聖輝の結婚式と言われた結婚式から一年後の1986年の6月発表。
僕の中では松田聖子さんは活動休止=引退したものという認識で既にその頃には興味を失っていた。休業したとは言うものの何故か1985年暮れの紅白歌合戦には出ていたしこうしてアルバムを発表したりと一体何をやっているのかなぁとあまり良い印象は持っていなかった。だからこのアルバムにもさほど興味はなく何かの機会で耳にすることがあっても「昔とは変わったな」と思うくらいだった。
しかしここが聖子ちゃんの真骨頂。そう!変わったのだ。アイドル路線を継承したと思わせつつ今の聖子ちゃんにブラッシュアップしたのだ。分かりやすく言えば、昔の聖子ちゃんに戻るのではなくその時点に応じたアイドルをやっているから前よりもアップデートされたアイドルをやれる。ここが今も聖子ちゃんが永遠のアイドルと言われ続けるゆえんだと思う。
さて発売当初は気に入らなかったこの「SUPREME」も聖子ちゃんが完全復帰した次作の「strawberry time」で一気に好感度を上げることになる。
このstrawberry timeで復帰した聖子ちゃんは産休明けとは思えない姿で芸能界に復帰した。曲のイメージに合わせて花の妖精の出で立ちでブラウン管に現れた。アイドルそのままの姿で。
しかもしっとりとした色香を漂わせて。
休んでいたとは思えないほどレコードは売れた。
しかしこの時点で聖子ちゃんは変わっていたのである。僕は以前の聖子ちゃんとは違った大人の魅力をまとった聖子さんに一発でやられた。聖子さんが芸能界復帰なら僕もファンに復帰である。僕もブラッシュアップしてそこから筋金入りのファンになった。
何が言いたいのかというと「SUPREME」というアルバムは聖子ちゃんがアイドルからアーティスティックに変わる重要な一枚だったということだ。
とかく「瑠璃色の地球」がクローズアップされがちなアルバムだが「蛍の草原」や「チェルシーホテルのコーヒーハウス」など全10曲どれをとってもステ曲のない非常に完成度の高いアルバムである。その魅力は今も色褪せていない。