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恋人がサンタクロース

恋人がサンタクロース。
これは松任谷由実さんが1980年12月1日に発売したアルバム「サーフ&スノウ」の中に収められた一曲である。
しかし僕はこの曲はずっと松田聖子のオリジナル曲だと思っていた。
それというのも1984年松田聖子が発表した企画アルバム「seiko avenue」の中の一曲として収められていたものをずっと聴いてきたからである。
元々は1982年発表のクリスマスアルバム「金色のリボン」が初出。このアルバムは限定品だった事もありのちに伝説のクリスマスアルバムとなる。
聖子バージョンの「恋人がサンタクロース」は当時の先端らしく生楽器と打ち込みがバランス良く配されファンタジックな楽曲に仕上がっている。
ちょうど中高生あたりが夢中になる情景描写。
ファンタジックにサンタクロース=彼と吹雪の夜空をソリで滑走しているような疾走感が味わえる。

世間で認知されているバージョンが本家「松任谷由実の恋人がサンタクロース」である。このバージョンは1980年発売の「サーフ&スノウ」に収録の楽曲である。
発売当初はあくまでアルバム収録の一曲だったが1987年公開の「私をスキーに連れてって」の挿入歌として脚光を浴びた。
ユーミンバージョンはこれぞ青春という面持ち。
大学生以上のキャラクターを感じる。
恋人がサンタクロースと歌っているがあくまで生身の人間感からは逸脱しない。
彼は彼のままでサンタクロースのように今夜はちょっと特別な感じでうちに来るというスタンスは崩れない。
家でのクリスマスパーティという華やかさがある。
ソリも車のままのイメージだ。

ユーミンバージョンは松原正樹氏と今剛氏のギターがよく鳴き高揚感を煽る。
それを受けてラストの「恋人がサンタクロース」のリフレインはユーミンバージョンの方がゴージャス。

どちらもそれぞれに味わい深い「恋人がサンタクロース」
カバーはあまり好きではないがアーティストそれぞれの個性がしっかり乗ったカバーならオリジナルとはまた違った楽しみ方がある。

とかくオリジナリティに拘りがちだがオリジナルを上手く消化して自分なりの表現をする。
これも立派な「オリジナリティ」なのではないかと最近は思い始めている。

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