懐かしさの向こう側
夕暮れの人並みが行き交うアーケード。
目と目が合ったときあなたは一瞬たじろいたように瞳を逸らせたけど私はおもわず声を掛けていた。
4年ぶりかしら?
元気だった?
他愛のない会話から今のあなたが見えてくる。
溢れる懐かしさを今という時が堰きとめる。
変わらない人など居ない
連絡先は聞かなかったわ。
もう会うことはないかしら?
それとも次に会うときはもっと深く話せる人になっているかしら?
淡い期待を胸に人並みに紛れてゆく背中を見送っていた。
千本ノック 5/1000
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