コーヒーとわたし
取り立てて派手な趣味もないのだが、小さい頃から変わらず好きなものがある。
コーヒーだ。
大学時代はよく、バイト前にいきがって
なけなしのお金をはたいて、今から働く時給分くらいのコーヒーとおやつを頼んだものだ。
コーヒーの本を買ったり、コーヒーの資格を取得しようかと本気で考えたこともある。
でも何故自分はこんなにコーヒーが好きなのだろう?
私が初めてコーヒーを飲んだのは、たぶん小学生のころ。
日曜日は決まって卵焼きをのっけたパンとインスタントコーヒーが我が家の定番であった。卵焼きパンは、全く家事をしない父親の唯一の料理であった。
その後は、ファイナルファンタジーをする父親の隣に座って観戦する。そのときのコーヒーを作るのは私の役目だった。お父さんはブラック。私は砂糖とクリープ多め。(入れないとお母さんが怒る)
とても簡易なコーヒー作りだったが、大切な日曜日の思い出だ。そうだった。その思い出や雰囲気が残ってるから好きなのかもしれない。
コーヒーそのものは、最初は苦くてあまり好きではなかった。小学生ながらお父さんはよくこんなブラックを飲むなぁ、何が美味しいんだろう?と思っていた。でも亡き父の今、ブラックでコーヒーを飲むと、この苦さの中に、いろんな味があると理解できる。
コーヒーとともにいろんな思い出が蘇る。コーヒー飲んで受験を頑張った高校生。友達とお気に入りのお店を見つけた大学生。住み始めた土地で、カフェ開拓していた社会人。別に詳しくもないのに、ミルを集めたりして仕事のストレスを紛らわしていた。
そしてノンカフェしか飲めなくなった妊婦時代。
コーヒーのことは詳しくも何ともないけど、私の人生とともにある。安心感がある。思い出がある。
そしてこれからもずっと続いていけたらいいな。