過去の下書きから、ゴカムの話
過去の下書きにゴカムの本誌感想が残っていた。本誌感想というか、ツイッターでみかけた本誌への反応への感想といったところ。
>ありこちゃんが助かってよかったが、うさみクラスタの一部が「なぜうさみは助からなかったのか」という感情を抱いている
>それは作劇上の人物だからで、上のようなことを言っている人もそれは分かっている。というかそれを忘れて読んでいるところに現実ではありえない生還があり、あくまで作劇上の装置として配置されているということを思い出してしまった結果の「なぜ」なのだ。
>このことについて特に私は何も思わないけど、そういう感じ方をする人は一定数いるということを頭に留めておく。そのうちここから何かが生まれるかもしれないからだ。
自分でも書いたことを忘れていたのでなるほどねーと思った。これを書いた時はもしかして自分用メモとしてだけ残そうと思って下書きにしたのかもしれないけど、時間を経て「公開してもええんちゃう」という気持ちになったので貼っておく。これは有古が至近距離から撃たれるところで前話が終わっており、一週間生死について気をもんでいたところ、半ばやけくそで呟かれていた「父のマキリに弾が当たっており助かる説」がまんま描かれていたときの感想です。近所の病院まで菊田さんが担いで運んでくれるという展開も、優しい、ゴカムこんな優しい世界だったっけ?野田先生こんな優しかったっけ?と思うのであった。よかったね有古ちゃん。
つまり有古の物語上での役割はアイヌの技術の伝承者として生き残ることであり、生き方に迷っていた彼がそう選択したのが金塊争奪戦での経験あれこれだったということですね。至近距離で撃たれるくだりは、かつての軍曹に戻ってしまった(読者から見て後退)いやもっとやばい感じで覚醒しちゃったかもね、という描写、兼、次の話へのクリフハンガー、兼、有古ちゃん争奪戦からの離脱、そしてその後の生き方の描写へと繋がる、という一石四鳥くらいの描写だったわけですね。すご~い!別に優しさでは無かった!
野田先生の話作りとエピソードの使い方、すごく理屈っぽいんですよね。好きです。
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