【そ】そしるにも二つあるべし大方(おおかた)は主人のためになるものと知れ
「日新公いろは歌」とは、島津家中興の祖で、島津義弘の祖父でもある島津 忠良(ただよし)(号は日新斉・じっしんさい)が、5年余の歳月をかけ完成させたという薩摩藩の「郷中(ごじゅう)教育」の基本の精神となったといわれる47首の歌です。義弘も多大な影響を受け、その後も薩摩武士、士道教育の教典となったこの「日新公いろは歌」は現代の私たちにも通じる多くの示唆を含んでいます。
いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみし ゑひもせす
家臣(部下)が主君(上司)の悪口を言うときは 単なる不満や愚痴の場合もあるが
大概は 主君のためを思って言うことの方が多いものである。
主君たるもの 上に立つ者はよくよく判断して
反省の材料とするべきである。
これまで 比較的 家臣が守るべき戒め といった内容が多く見受けられましたが
今回は 上に立つ者 主君側の戒めを説いており
とても珍しいなと思いました。