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引かれた後ろ髪は

の続き。

「死ぬほど努力するから別れようなんて言わないで」といった恋人にこの3連休の過ごし方は?と聞いたら、精神状態によるかな…と返ってきた。

この恋人。とてもタチが悪い。
別れ話を切り出してからというもの、心因性による体調不良でボロボロになる。眠れなくなるのは序の口で、食べられなくなるし、食べられないくせに吐気はあるし、フラフラになるし、頭痛をおこし、仕事にならないからと午後休をとってくる。何が一番ヤバいかと言うと、それを隠さず伝えてくるところだ。

“時間”というのは凄いもので、痛みも辛さも悲しみさえも風化させてくれる。それを知っているから、別れを告げたのに、この人は“時間”を待つことも無く死んでしまいそうだと思わせる。なんとかなるのだろうけど、会社に行けなくなってあっさり社会からフェードアウトしそうだよなと思わせる。『もういっそ死ね』と思たら楽なのだろうけど、そんな事も思えない。そのヤバさが絶妙。

あまりに後ろ髪を引いてくる恋人に観念することにした。
他の誰かでは代用できない「一緒にいたい」を、飽きるまでこの人に付き合おうと思った。

この3連休は精神状態によるらしいから、今はまだ捕まっておいてやろう。なんならそちらに出向いてやろう。欲しいものもあるし。

捕まえ続けておかないのなら、何時だって何処にだって飛んでいってやる。もう籠の鳥に甘んじてはやらない。


でも、取り敢えず、君と見たいと思ったあの映画の続き、予約よろしく。


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