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和倉「めぐるちから」で復興へ 創造的復興プラン中間とりまとめ

和倉温泉創造的復興まちづくり推進協議会(以下、協議会)は12月21日、住民参加型ワークショップ「和倉トーク」の特別編で、創造的復興プランの中間報告を発表した。

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協議会は旅館経営者、住民、行政と対話を重ね、「めぐる」をキーワードに復興の方向性を示した。

めぐる」という言葉には、
観光客が街を巡る、地域経済が循環する、さらには能登里山里海の自然を循環型で活用するなど、多面的な意味が込められている。
協議会の多田代表は、
「復興の鍵は、地域に息づく『めぐるちから』にある」と力を込めた。

中間とりまとめ資料から引用

「めぐる」を意識した取り組み、住民とともに

 能登共創部会では、長期的なハードインフラの復旧だけでなく、「めぐる」を軸としたソフト面でのまちづくりに重点を置いている。

中間とりまとめ資料から引用

 その一例が、11月3日に開催された「めぐる市」だ。解体や修繕作業で出た食器や食材などを「捨てる」ではなく「循環させる」取り組みとして企画されたこの市は、当日大勢の来場者で賑わい、大成功を収めた。

 都市デザイン部会では、旅館や施設にとどまらず、住民や働く人々、子どもたちの意見を反映させるため、小中学校での意見交換会や定例ワークショップ「和倉トーク」を実施。和倉温泉の歴史や風土を尊重しながら新たな復興プランを策定した。

中間とりまとめ資料から引用

「6つのゾーン」による復興計画

 協議会は和倉を6つのゾーンに整理し、それぞれの強みと課題を分析。住民の声を基に、EVバスの導入など先端技術を取り入れた計画を進めている。また、新たな施設建設よりも既存施設の魅力を引き出すことに重点を置き、観光客が街を楽しむ「めぐる」仕組みを整備している。

中間とりまとめ資料から引用

 震災前の和倉温泉では、チェックイン前およびチェックアウト後の時間に街を楽しむ選択肢が少ないのが課題だった。創造的復興プランでは、この点を改善し、宿泊客が街を散策して充実した時間を過ごせるような街づくりを目指している。

中間とりまとめ資料から引用

子どもたちの声も反映 

協議会の多田代表は、「子どもたちはファストフード店や大型ショッピングモールが欲しいと言うが、実は地域に気軽に集える場がないことが背景にある。こうした声を掘り下げて、地域の本質的なニーズを反映した復興プランを作りたい」と語った。

 和倉温泉の復興は長期戦となるが、「めぐるちから」を地域全体に広げ、住民とともに新たな一歩を着実に進めている。

文責:一般社団法人Code for Noto
代表 羽生田文登


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