わらしべ長者なクリエイティブ(ゲスト:筧昌也さん シナリオランド)
シナリオを中心としたオンラインサロン「シナリオランド」ではオンライン上の交流に加え、クリエイティブの最前線で活躍しているゲストをお招きし、トークショーやワークショップなどを定期的に開催しています。
既に数十回のイベントを開催して参りましたので、随時振り返ってみます。
さて今回は『素敵な選TAXI』『トラさん~僕が猫になったワケ~ん』『探偵物語』等の数々の話題作を手掛ける筧昌也監督から、クリエイターにとっての「名詞代わり」の作り方やアイデアの発想法などをご教授頂きました。
「わらしべ長者なクリエイティブ」(開催日:2018年4月21日)
【筧昌也さん:プロフィール】
大学卒業後、企業VPの制作会社に入社。アニメーションや CG制作をする。退社後、フリーのディレクターとして活動。
03年、映画『美女缶』がゆうばり映画祭グランプリなど自主映画祭で数多く受賞し、04年劇場公開。05年には『世にも奇妙な物語 春の特別編』にて妻夫木聡を主演に迎えセルフリメイク。連続ドラマ『ロス:タイム:ライフ』(08.2~CX)は原案、チーフ監督、脚本を務め、auドラマとしてシリーズ化。2016年には韓国でもリメイクされる。
劇場映画デビュー作『Sweet Rain 死神の精度』(主演:金城武)は08年、劇場公開。他にWOWOW『豆腐姉妹』(吉高由里子)、テレビ朝日『死神くん』(大野智)、フジテレビ『素敵な選TAXI』シリーズ(バカリズム脚本、竹野内豊主演)、『脳にスマホが埋められた!』YouTubeオリジナルズ『The Fake Show』(はじめしゃちょー)『黒い十人の秋山』などの監督を歴任。2019年2月15日に映画『トラさん~僕が猫になったワケ~』(北山宏光、多部未華子ほか)も公開。
映像の他にイラスト、漫画(『パフューマン』第68回ちばてつや賞佳作受賞)も手がける。
わらしべ長者=わずかな自前のモノで物々交換を重ね、いつしかお金持ちになること。
つまり、自らの小さなアイディア、発明した「器」を元に徐々に規模を充実させ、作品作りを継続することが大切です。
筧昌也監督は『美女缶』や『ロス:タイム:ライフ』などの作品をインディーズから育て上げ、最終的にはTVドラマ化など大きく花開かせました。
「千三(せんみつ)」という言葉があります。
1000個のアイデアがある場合、成功するのはその3つに過ぎないという意味です。
アイデア:1000個
↓
成功するアイデア:3個
成功するには、気が遠くなりそうなほどのアイデア量が必要ですが、「わらしべ長者」的発想をすると、、、
アイデア:1000個
↓
成功するアイデア:3個
↓
「成功したアイデア:3個」を徹底的に使い倒す
……ということを行います。
成功した同じアイデアでも「クリエイティブ」と「ビジネス」の要素の一つを違うものにすれば、レイヤーの異なるものが出来上がります。
①クリエイティブ
・脚本
・演出
・役者
②ビジネス
・メディア
・スキーム
・予算
よほどの天才であっても、次から次へと成功するアイデアを生み出すのは難しいので、「成功したアイデア」に着目し展開することは、次の成功への近道ですね。
またイベントでは、自主制作映画出身だからこその「演出ありきのアイディア勝負」で、この世界を生きてきた筧昌也監督の思うデビューの仕方、「名詞代わり」の作り方などもお伝え頂きました。
更に、ワークショップでは2時間映画や短めの連続ドラマのアイデアプロットを参加者から募集。
エッヂの効いたアイデアが多く集まり、盛況なイベントなりました!
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