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秋の絵本オススメ3選

今月子どもたちに読んだ絵本で、面白かったもの、ウケが良かったものを紹介します。

『どんぐり』
たてのひろし/著・イラスト 小峰書店 2023

大好きな舘野鴻さんの絵本。昆虫や自然の絵をとても緻密に描かれる作家さんです。どんぐりの時期になったので、本物のどんぐりを見せながら読みました。この絵本には文字が出てきません。なので、読む前は静かな声で「今から静かに読むからみんなも静かに聞いてね」と言って読み始めます。すると子どもたちはぐっと絵本の世界に入り込みます。小声で「あ、どんぐりの芽が出てきたよ」などと言い合いながら絵本を見つめる子どもたちの姿に、舘野さんの絵の力を感じる1冊です。

『お月さまってどんなあじ?』
マイケル・グレイニエツ/絵と文 いずみちほこ/訳 らんか社 1995

お月さまがきれいに見える秋におすすめの絵本です。お月さまってどんな味なのかな?動物たちが協力してお月さまを目指します。やっと食べることができたお月さま。この絵本を読むと「えー!お月さまってそんな食感なの?」と思っちゃう。エリック・カールの『パパ、おつきさまとって』と並んでおすすめのお月さま絵本です。


『さるとかに』
神沢利子/文 赤羽末吉/絵 BL出版 2017

昔話の「さるかにがっせん」ですね。同じような内容の昔話でもタイトルが違うものが多く出版されています。昔話を読む際は、自分が読んでみて文章がすっと読めるもの、内容が極端に端折られていないもの、結末がしっかりしているものを選んでいます。こちらの作品は赤羽末吉さんの温かみのある絵に神沢利子さんの文章がマッチしていて、好きな絵本です。岩波書店から出ている「かにむかし」も捨てがたいのですが。お母さんガニがサルに殺されて、子ガニたちがお母さんのおなかから出てくるシーンの「ずぐずぐずぐずぐ」という表現が個人的には薄気味悪くて、でも何だかこの表現でないと!という感じもするのです。今回子どもと読み比べてみて、出てくるキャラクターが本によって違うことも発見でした。色々な猿蟹合戦を読み比べてみるのも面白いかもしれませんね。

今後も大好きな絵本も少しずつ紹介していきたいと思います。



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