【詩】灰色のワルツ
手帖に刻まれし在りし日の面影
夜のまばゆい煌めきの下
ワルツを踊った恋人たち
いつまでも
わたしのこころに刻まれた
儚きうたかたのワルツ
ひとり、またひとりと
恋人たちは舞踏会の手帖から
いなくなっていった
寒夜の灯火にほのめく
暗闇のワルツ
世界に打ちひしがれる男たち
狂気
殺人
強盗
でも、あなただけは生きていた
あなたは生まれ変わり
永遠の人となって
わたしの前に現れた
あなたはワルツを知らない
今度はわたしがあなたを
エスコートする番
星の瞬く音を聞きながら
灰色のワルツで
あなたを抱きしめる