あれ,,生涯教育ってどうなった?
こんにちは、Rehacon365 月曜担当 反対方向の電車に乗ってしまった 野沢です
COVID-19の影響で徒手理学療法学会,運動器理学療法学会,IFOMPTと抄録を提出した3つの学会がすべて中止となってしまいました.こればかりは仕方のないことですが,先月に実施された認定理学療法試験は合格できましたので,今年立てたノルマを若干は達成でき一安心.
皆さんも多かれ少なかれご自身の予定変更などの影響を受けていることと思います.
そんな中,理学療法協会の生涯学習にも影響がでており,各方面の学会,研修会が実施できないことから,2021年4月開始予定であった新生涯学習制度は2022年の開始となりました.
そこで,延期された新生涯学習制度について,確認の意味を込めて,一度まとめたいと思います.延期されたことで恩恵を受ける方もいるのではないでしょうか.
■理学療法新生涯学習制度
先にも述べたように,2020年4月7日の案内にて,新生涯学習制度は
2021年4月 ⇒ 2022年4月
と1年延期し,現制度は2021年3月末までとなります.
http://www.japanpt.or.jp/upload/japanpt/obj/files/info/20200407.pdf
新生涯学習制度で登録理学療法士が設けられた目的は,理学療法士としての質を担保し続けるため「5年ごとの更新制」を取り入れ、生涯を通して知識・技術の維持・向上を怠らず、社会に対して理学療法士の質を保証するためにとされています.登録理学療法士を取得していることで,社会や職場からの評価に差をつけられるような体制が望まれていますが,今現在の時点では,具体的になっていないようです.
では
“登録理学療法士はなったほうが良いのか“
このような議論がされていることはよく耳にしたり,目にしたりしますね.
資格を取ることを目的とするのではなく,目的のために資格が必要かを考えるとよいかと思います.特に目的や,やりたいことがない場合は,せっかく経歴書にかける資格を協会が作ってくれたので,取得しておいて損はないのではないかと個人的には思います.
■登録理学療法士になるためには
https://support.japanpt.or.jp/privilege/education/lifelonglearning/s10/
上図のように,
〇前期研修:座学22コマ (33時間) 実地研修32コマ (48時間)
〇後期研修:座学51コマ (76.5時間) 実地経験3年程度(6000時間)
を受講する必要があります.前期研修は2年間,後期研修は3年間,最短で5年間の研修期間が必要となります.現行の新人教育プログラム(下図)は15単位取得することで修了となり,私も丸2日間の研修と1回の症例報告で修了した記憶があります.新人教育プログラと純粋に比較はできませんが,生涯学習システムのカリキュラム内容と,時間は充実したものがあり,取得するのはハードだなという印象を受けました.
http://www.japanpt.or.jp/upload/japanpt/obj/files/lifelonglearning/sinpuro2017.pdf
また前期研修には実地研修も含まれており,登録理学療法士が所属している施設での研修が基本的には必要となります.実地指導のマニュアルは現時点で作成中となっていますが,臨床実習でのCCS本格導入に加え,生涯学習制度においても,臨床での指導,教育力が必要とされていることが伺えます.
■現職者の登録理学療法士への移行
現職者は個人のPT協会加入年数,新人プログラム修了の有無,各履修ポイントにより移行のハードルが異なります.
新生涯学習制度の延期以前では,2021年4月時点で協会登録から
〇11年目以上(2011年度以前入会)
新プロ終了or認定理学療法士 ⇒ 登録理学療法士
〇6~10年目(2012~2016年度入会)
新プロ終了+200ポイントor認定理学療法士 ⇒登録理学療法士
〇5年目以下(2017年度以降入会)
新プロ,ポイントに応じ前期,後期研修受講 ⇒登録理学療法士
となっていました.詳細はこちらを参照ください.
1年延期し2022年より新生涯学習制度がスタートでは,年数は据え置きなのか,繰り上げになるのかによってボーダーラインの方々に大きく影響してきます.
現時点では詳細な発表がなされていませんが,
2022年時点で
〇11年目以上(2011年度以前入会) ⇒12年目以上?
〇6~10年目(2012~2016年度入会) ⇒7~11年目以上?
〇5年目以下(2017年度以降入会) ⇒6年目以下?
と変更になるのか,据え置きになるのかは注目しておいたほうが良いと思います.
いずれにせよ,現行で行われている新人教育プログラムを修了させ,登録理学療法士への移行を進めるほうが,時間をかけずに登録理学療法士になるためという観点では,有利に働きます.
ご自身や,職場のスタッフの状況を確認し,社会的な信頼の指標となりうる資格を取得することは良いと思いますので,参考にしてみてください!
個人的には,後期研修では興味をそそるプログラムが組まれていますので,受講したいなと思っています.
では今日はこの辺りで失礼いたします!!
次回は認定,専門理学療法士についてまとめたいと思います.
参考資料:
日本理学療法士協会 HP:新生涯学習制度の概要
https://support.japanpt.or.jp/privilege/education/lifelonglearning/s10/
日本理学療法士協会 HP:登録理学療法士までの移行(案)https://support.japanpt.or.jp/privilege/education/lifelonglearning/s10/02/
JPTAニュースVol321
執筆:野沢哲矢@BonusView55
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