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【12月の日記④】ライブレポート : 2022/12/04 BONNIE PINK(1st stage)

BONNIE PINK Billboard Live ″Hello, Again″ LAD BEST @ Billboard Live TOKYO

ライブは、東京ミッドタウン内にあるビルボードライブ東京という、華やかな会場にぴったりな「LOVE IS BUBBLE」からスタートした。「金魚」をはじめとする活動初期の曲から、彼女の最大のヒットソング「A Perfect Sky 」が誕生した2000年代の楽曲、そして本編ラストは今年リリースされた最新曲「エレジー」。それはまるで、様々な時代を生きてきた彼女から生まれた曲たちが、過去から現在、未来へとバトンを渡していくような選曲であり、結果的に彼女の27年間のキャリアを総括する素晴らしい内容になっていた。

印象的だったシーンをいくつか。

まずは「金魚」(1998年リリースのアルバム『evil and flowers』に収録)。

幻想的な真っ赤なライトの下、白いマントのような衣装に身を歌うボニー。その世界観に、うっかりトリップしそうになる。彼女が着用した白い衣装は、実際に当時のツアー(その名も「金魚ツアー」)で着たもの。倉庫に眠っていてたものを引っ張り出し、せっかくだから…と、着ることにしたそう。「金魚」は個人的な思い出がある曲で、ボニーのコピーバンドを組んでいた大学生の頃、私はこの曲を歌ったことがあった。私の歌を聴いた音楽サークル仲間の男の子が、「歌、上手くなったね」と、珍しく褒めてくれたのだ。

(モノクロだけど実は赤毛)

オリビア・ニュートンジョンのカバー「Physical」もとても良かった。

この曲は、今年の夏に大阪で行われたイベント(Greenroom Beach)で披露する予定だったが、当日は台風の影響で演奏時間が5分しかなかったため、お蔵入りになってしまった曲だ。ボニーバンド(その名も「BAD BAD BOYS」)のメンバーで、バンマスであるベース鈴木正人さんが「すごく、かっこいいアレンジを考えてくれた」とボニー。ダンサブルなオシャレサウンドに乗せて、グイグイお客さんを艶のある声で煽る姿を観ていたら、かつて、マイケル・ジャクソンが亡くなった年に行われたライブでも、彼の曲をカバーし、流暢な英語でマイケルに向けてメッセージを送っていたことを思い出した。確か会場は赤坂BLITZだったかな。

この「Physical」から「A Perfect Sky」に繋げたことで、会場の盛り上がりも最高潮に。ボニーにとっては、今回の全国3ヶ所(横浜・大阪・東京)のビルボードライブを回るツアーが3年ぶりのライブだったこともあって、彼女の全身全霊かけたパフォーマンスから、アドレナリン大放出しているのが良くわかる。だからもう、座っていても静かにおとなしく観ることは、こちらも不可能。私は上半身だけは踊りながら、マスクの下で小声で歌い、時に泣いた。

40代で結婚・出産を経験し、母になったボニーから生まれた新曲「宝さがし」と「エレジー」。守るべき存在ができたことで、彼女の音楽は、さらに豊かさになり、説得力が強まった。子育てと音楽活動の両立って、想像するだけでも大変そうだし、私にとっては未知の世界。そんな中でも、こうしてステージに帰ってきてくれたことをとても嬉しく思うし、心から歓迎している。

思い返せば、私が好きな女性ミュージシャンの中でも、足繁くライブに通い、耐えず曲を聴いきたのはボニーだけだ。10代の頃、ラジオから流れた「Do You Crash?」を聴いて度肝を抜かれたこと。テレビの音楽番組で「Heaven's Kitchens」を歌う赤髪ショートカットヘアー姿を、目をまん丸くしながら観ていたこと。大学時代、所属していた音楽サークルで「金魚」を筆頭に、ボニーの曲をたくさん歌ったこと。社会人となり、仕事も私生活もボロボロだった頃は、今回のライブで2曲目に歌われた「Morning Glory」を、毎朝、聴きながら通勤していたこと。

いつも、私の人生に寄り添うようにBONNIE PINKの音楽は流れていた。

最後になるが、私にとってはボニーは永遠に「イケてるかっこいいお姉ちゃん」。だから、こうして共に年齢を重ねながら、元気にここまで来れたことが、ただただ私は嬉しかった。

ボニーとBAD BAD BOYS(左から、Dr.白根賢一さん、Bass鈴木正人さん、Key奥野真哉さん、Gt.八橋義幸さん)のメンバー。彼女のライブではおなじみの4人のパフォーマンスもかっこ良かった!!


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coco
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