大学生
1限に向かう車で
ノリで決まった
ダム行こうよ
とたんに高まる高揚感と
走っていくにつれ見える綺麗な紅葉と
学校とは違う方向を向いている車が
私たちを連れていく
心の中のもやもやが
氷が溶けるように
気化していく
溶けて
溶けて溶けて
久しぶりに
しあわせと手を触れ合えそうで
目の前に広がる
たくさんの水を眺めながら
4人全員で横に並んで座って
眺めながら
いつ学校いこーねって
いつまででもここにいれるねって
良い朝だねって
早起きして良かったなぁ
帰り道に通る
初めての道が
とても綺麗で
帰り道に見た
鳥を眺めて
小学生の頃を思い出した
あの頃は
空を飛んでる鳥がなんなのか
道にある植物はなんで名前なのか
身近なものに目を向けて
毎日が新鮮な気持ちだったなって
久しぶりに思い出した
いつからだろうか
それらに目を向けなくなったのは
私が生きた人生を
指でなぞり返して
思い出と
今を
混在させて
大切なものを
思い出せた気がする
忘れていたものが
ふと目の前に
ありがとう