成長とは

自分が授かった命を
自分で抱えられる人は
どれだけ少ないか


産まれてから
親という存在が
私という個体を
守る

私という存在を
保持している命を 
守る

衣食住の提供をし
知識を与え

そこで我々は
学び育っていく

しかし
その小さな個体は
自分自身が持つ命を
抱えきれるのだろうか

抱えられるだろうか


命とは
バッテリーのような存在だと
かつては思っていた

生命を動かし
終わりを迎え
2度と取り戻せない

かつては思っていたのだ

命は
バッテリーのような
単純なものではないと知った

重たいのだ
とても

その個体が
歩んできた道と
その個体が
知ってきたこと
好きになったもの
嫌いになったもの
目で見て手で触れ心に残るもの

その個体を
愛した人々の
気持ちまで

命には
全てがのしかかっている

そんなように感じる


そんな
とんでもないものを
どうして抱えられようか


成長とは
かつては親に
一緒に支えてもらっていた
自分の命を
少しずつ

自分の元へと
引き寄せることだろう

自分で全てを抱えられなくとも
少しずつ

重さを実感していくことだろう

だから怖いのだ

決して楽ではないからだ

嫌なことがあっても
命を投げ出すことが
できない

重たくて
重たくて
どうしようもなくても
抱えていなければならない


日々
少しずつ
成長を感じる

命を
自分で抱えている感覚

忘れたくない

今までこんなにも
重たいものを
抱えてくれた人たち

忘れたくない

私は1人ではなかったのだ
いつも

いつも
1人ではなかったのだ

今になって
思う

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