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すべてを保存はできないけど目に焼き付けたくて食いついてる



このひとの言葉選びが本当に好き、という臨床心理士のみたらし加奈さんという人がいる。
とても丁寧で、どんなに小さなかけらもこぼさないようにしてくれているあたたかみと、やさしさで溢れている言葉。
雰囲気やニュアンスで濁すことなく、明確で、さっぱりしていて、誰かを論破するような爽快感、パズルのような論理的に組み立てられた言葉ではなく、わかりやすく伝わってくる。
どんどん深く入り込んで聴いていても安心できるような、そんな言葉たちで溢れている。
『そんなこと、気にするなよ』に傷ついてきたわたしが『気にしなくていいよ』に救われた。
本当に必要なときに、欲しい言葉。
こんな言葉があったらな、はまだまだ育てられてないけど、
『自分だったら』と何回も何回も頭の中で考えて、どうしたらあなたがまた笑ってくれるかを想像してこぼす言葉にどうにか力をのせて届けたい。
そんな気持ちが伝わってくるような、賢くて本当に美しいひと。
なんだかこうやって書いてるだけで泣けてくる。
傷ついてきた分だけ、ひとの気持ちに寄り添える、やさしくできるんだよ、なんていうけど
本当にそうかな?と思うときがある。
伝わらなきゃ、伝えなきゃ意味がないに、押しつぶされそうになるときがある。
『みんな同じ世界で、同じように生きている』ように見えているだけ。
喜びも悲しみもそのひとの心のなかでしかわからない。
大きいのか、小さいのか、どれほど見えるのか、聴こえているのか、同じ深さで見てくれているひとがいる、でもたまに手を繋いでくれているものがなんなのか、忘れそうになる。
世の中にはどうでもいい言葉ばかり、肥大化していく。
マウントを取り合ったり、揚げ足を取ったり、見て見ないふりをしていることばかり。
誰かを蹴落としたり、ひとのものに魅力を感じているひともいるのだろう。
自分のちっぽけさを、どうでもいいと感じたとき。
自分のちっぽけさを、認めることができたとき。
汚れのない美しさではなくて、完璧な美しさではなくて、『可愛い』『かっこいい』も性別も国籍もなにも関係のない、ただそこにいる人間。
わたしたちはただのちいさくて歪な点だということ。
そしてその歪な点は、美しくて、なに一つ同じ点は存在しないのだということ。


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714字
裸足が好きです

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