四季報写経をNotionで始めてみた
こんにちは!
エンジニアスキルだけでなく、企業やビジネスについて理解を深めないといけないなぁと思いつつ、やっぱりエンジニアスキルの学習の方が楽しかったりするわけで、やる気出ないなぁと思っていたら以下の記事に出会った。
これを読んだ瞬間、「これならコツコツできそう」、「それNotionで!」と思い、さっそくやってみたので、つらつらとnoteに書いてみる。
四季報写経とは?
四季報ウーマンさんのnoteを読んだ方がわかりやすいかと思いますが、簡単に説明すると「会社四季報のデータをひたすら手入力していく修行」です。もちろんデータについて考察しながら入力することが重要です。
なんでこんなことをやるのかというと大量の情報をインプットし続け、インプット量が一定量を超えると関係がないものと思えていた情報がリンクし合い、新たな仮説を考えられるようになるから。
「A社で抱えていた課題は業種が異なるB社のこのやり方で改善できるのではないか?」などが思いつくようになるということです。
四季報写経ウーマンさんもお勧めしておりますが、「瞬考 メカニズムを捉え、仮説を一瞬ではじき出す 異質のキャリアから生まれた思考法 | 山川 隆義 」を読むと四季報写経をやる意義が深く理解できるかと思います。
Notionで四季報写経環境を構築する
四季報写経ウーマンさんのテンプレートはスプレッドシートとなっておりましたが、業種毎の分析などをするにあたってNotionの機能である「データベースリレーション&ロールアップ」、「ビュー」、「テンプレート」あたりが結構使えるのではないかと考え、環境を構築してみました。
まずざっくりとリレーションの関係を記載すると以下のような3つのデータベースがリレーションで関連付けされています。
DB_Journal : 日記データベースです。四季報写経を習慣化するために毎日書いている日記とリレーションしています。四季報写経の記入日もDB_Journalの日付プロパティをロールアップで取得しています。
DB_四季報写経 : 四季報写経を入力するデータベースです。
DB_四季報写経 業種:業種と業界別営業利益率や業界別PERを入力するデータベースです。DB_四季報写経にて業種を入力するとロールアップにより業界別営業利益率や業界別PERが表示されるようになっています。
DB_四季報写経のプロパティ
DB_四季報写経のプロパティには以下のものを用意しました。Notionらしくリレーションやロールアップを活用しています。
企業名:タイトル
DB_Journal : リレーション
日付:ロールアップ(DB_Journal)
証券コード:テキスト
創業年:日付
上場年:日付
創業から上場まで日数:数式 `dateBetween(prop("上場年"),prop("創業年"),"days")`
業種:リレーション
時価総額(百万):数値
特色:テキスト
連結事業:テキスト
海外比率:数値
売上高(百万):数値
営業利益:数値
営業利益率:数式 `prop("営業利益")/prop("売上高(百万)")`
業界別営業利益率:ロールアップ(DB_四季報写経 業種)
純利益(百万):数値
純利益率:数式 `prop("純利益(百万)")/prop("売上高(百万)")`
PER:数値
業界別PER:ロールアップ(DB_四季報写経 業種)
ROE:数値
従業員数:数値
1人あたり営業利益(万円):数式 `round(prop("営業利益")/prop("従業員数")*100)`
業績記事:テキスト
材料記事:テキスト
仕入れ先:リレーション(DB_四季報写経への自己リレーション)
仕入れ元:リレーション(DB_四季報写経への自己リレーション)
販売先:リレーション(DB_四季報写経への自己リレーション)
販売元:リレーション(DB_四季報写経への自己リレーション)
競合:リレーション(DB_四季報写経への自己リレーション)
コメント:テキスト
気になる:チェックボックス
以下イメージ。
DB_四季報写経 業種のプロパティ
DB_四季報写経 業種のプロパティには以下のものを用意しました。こちらは四季報ウーマンさんのテンプレートに各業界の営利率・PERが記載されているものがあったので、それをNotionデータベースにインポートしました。
業種:タイトル
業界別営業利益率:数値
業界別PER:数値
サブ:テキスト
DB_四季報写経:リレーション
以下イメージ。
テンプレートを作成する
DB_四季報写経 業種には以下のようにDB_四季報写経をリンクドビューで埋め込み、業種:業種テンプレートでフィルターすることで、業種とリレーションされた企業をチェックできるようにした。
DB_四季報写経の方では、自己リレーションを活用し、競合とデータ比較するために「競合に登録したデータをフィルターするビュー」と「同じ業種でフィルターするビュー」を用意している。
必要なビューを用意する
Notionのビュー機能を使うとフィルター、ソート、グループ化を設定した様々な画面を用意することができる。
ビューは必要に応じて増減できるので、「時価総額順で比較したい」、「業種別でグループ化し、その中で売上高順にしたい」など必要と思ったビューを都度用意すれば良い。
Notionで四季報写経する利点と欠点
Notionで四季報写経をする利点と欠点について考えてみた。
利点
以下に思いつく利点を列挙してみました。
1つのデータベースから様々なビューを作ることができるため、「時価総額順で比較したい」などの分析したい視点に応じてビューを構成できる。
リレーションとテンプレートを活用することで、競合や同じ業種のデータをすぐに確認できる環境を構築できる。
サイドビューを活用することで、ガイドを表示しながら入力できる。
プロパティに説明を記載できる。こちらもガイドとして活用。四季報ウーマンさんのnoteから引用させていただいております。※ここはExcelとかでも同じような機能はある。
日記DBなどの毎日使っているデータベースとリレーションすることで、四季報写経を習慣に取り込みやすくなる。私は日記のテンプレートの中に四季報写経する導線を用意しています。
ボタン機能を使うと様々な箇所からすぐに四季報写経を開始できる。
欠点
下記の記事の中でも述べられていますが、Notionのデータベース入力はちょっとクセがありまして、Enterでセルの入力モードに遷移し、ESCでセル移動、選択モードに遷移するみたいな動作となる。
スプシやExcelはF2で入力モードに遷移するみたいな動作があるが、基本的には文字入力ですぐに記載ができる。※Notionでも文字入力ですぐに入力モードになるにはなるが、1文字目に日本語は入力できない(「あ」を入力すると「a」が出力される)ため、ここが結構煩わしい。
表形式で、ババっと記入したいのであればNotionではなくスプシやExcelの方が良いだろう。
あとは単純にNotionのデータベースの理解が必要になるので、そこが少し壁になるかもしれません。
まとめ
今回は四季報写経をNotionでやってみたというテーマで書いてみました。(正直まだまだ改善点があるし、実践しながら改善していく必要があるなと感じている。)
Notionを普段から使っていて、日記などを毎日更新している場合、そこに四季報写経を組み込むと習慣化しやすいと思います。
四季報写経を始めたことで、取引先とか広告とかでみた企業に対して「あの企業の主力事業は何なのか?」、「業績はどんな感じだろう?」などの興味を持つことができるようになった。これだけでも四季報写経初めて良かったと思います。
四季報写経は毎日コツコツ続けることが大切ですので、普段から使っているツールを使うのが一番だと思います。
※四季報ウーマンさんのnoteにて500円で、テンプレートをダウンロードすることができますので、何から手をつけたら良いかわからないと言う方は、まずはそちらを入手することをお勧めします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。この記事が参考になれば幸いです。