りるりる(2018ver)
エイプリル
きみの残した嘘が
やっとほどけそうだよ
「目の前に分かれ道があります。どちらかは目的地へと続く道、どちらかはハズレです。時間があまりありません。Wi-Fiも入らないのでGPSを使うことができません。分かれ道には、案内人が二人います。なにを訊いても本当のことを言わない人と、なにを訊いても嘘しかつかない人です。でも、どちらがどちらかはわかりません。彼女たちのどちらかに一回だけ質問をして、正しい道を聞き出してください」
(これが解けたら、君とはバイバイ)
こんな冗長な遺言ってある?
だから、解きたくなかったけれど、うつし世に縛られる君の姿をそれ以上見るのも、つらかった。
そうだ、君は嘘なんて残しちゃいなかったんだ。
春色の便せんに、僕は少しだけ震える手でこうしたためた。
「あなたじゃないほうの人が、もし僕に嘘の道を教えるとしたら、どっちと答える?」
それが君の遺言だったなんて、
全部、嘘だったんだね。
よくぞここまで辿りついてくれた。嬉しいです。