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短歌 雨02 十首
片時雨あの日失くした正しさが
傘を持つ手に痛みを穿つ
約束はしない約束だったから
笑顔で雨を受け入れている
雨粒の音に合わせて堕ちていく
君の心がドシラソファミレ
伝言を残しておいたはずなのに
雨声に消されてしまった恋文
二人とも二度と会わないことにして
驟雨にすべてを隠した夜
雨粒を覗き込んだら君がいた
悲しい目をしてこちらを見てた
しょうしょうと降る雨を責め立てないで
空白にだって命は宿る
空気読め 読んだら次は気を遣え
雨はピエロの居場所を奪う
繰り返すだけの通り雨こそが
ついに尊いことだと気づく
その隣 私雨(わたくしあめ)のようでした
気づいた時は何処にもなくて
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![笹塚 心琴](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/173513262/profile_879f1c95143da3f8ecea2573e66067cd.png?width=600&crop=1:1,smart)