短歌 日常01 十首
錠剤の重さに比例する土曜
君と二人で海を見に行く
時折の憂いを帯びた笑い顔
夜にひれ伏す獣みたいに
影法師みたいにいつか消えるんだ
わかっているから名前を読んだ
まどろみも寝ぐせも声も知っている
なのに君にはためらいがない
そのうちに空気になると言われても
肺呼吸には欠かせないから
結婚が墓場だなんて言うのなら
きっと二人はリンドウの花
目玉焼きにソースをかける君だから
分かち合えない良さもあるのだ
二人して保険のことを考える
家族になるってこういうことか
ときめきやきらめきは今どこにいる
二人の間に根を張っている
おはようとおやすみなさいを繰り返し
ありがとうまで辿りつきたい
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よくぞここまで辿りついてくれた。嬉しいです。