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忘れられない女

初めて女の子を好きになったのは幼稚園の時。その女の子のことは一生忘れることはないと思う。
まだコミュニケーション能力が今ほど高くなく、暴れん坊だけど顔だけは天使のように可愛かった幼稚園時代。カトリックの幼稚園だったにも関わらず、私はいじめられていた。何が気に入らなかったのかはわからないが、面と向かってバイ菌扱いされたこともあったから今考えるとエグい。
シスターも先生も、たぶん気付いていながら何もしてくれなかったから、私は今でもキリスト教ってやつを信じられない。
4歳、5歳だろうと根性の悪いやつはいるってこと、それは絶対ある。子供は全員天使じゃない。
とはいえ、いじめるといっても大体は仲間はずれにされるだけで、1人遊びが好きな私にはそれほど問題もなかったのだけど。
そんな中、時々みんなで集まって何かしなければいけない時、必ず一緒にいてくれる女の子がいた。
色素が薄く、背が高い美人のミホちゃん。
同じ歳のはずだけど、今考えると人生何周目ですかという雰囲気を持った子だった。

ミホちゃんは皆の人気者で、いつも周りに友達がたくさんいた。
それなのに、いざというときは私の隣でお世話をやいてくれたミホちゃん。ただ面倒見が良いだけだったのかもしれないけど、幼稚園の時の友達は、2年間で本当にミホちゃん1人だった。
意地悪をされて砂場で1人泣いていると、いつの間にか横で穴を掘っていたりした。朝、笑顔でおはようと言ってくれたり、サルビアの蜜をとってくれたりしたのも彼女だけだった。
何てことないことばかりでも、ミホちゃんの存在は私にとって、キリストよりよっぽど確かな救いだった。
流されない強さとか人を思いやる気持ちとか、そんなんじゃなくて、ただ本能的にしていたんだろうと思う。
47になっても、割とちょくちょく思い出す、私の人生で一番忘れられない女性だ。

ミホちゃんに似たタイプで思い出したけど、小学生の時に好きになっためぐみちゃんも、まさにそのタイプだった。
幼稚園のことがあったから、私は女の子のグループってやつが大嫌いで、大抵どの時期も、誰かひとり仲の良い子と2人だけでつるんでいた。
不思議なことに学年が変わる度にその相手も変わるのだけど、小学4年生の時は、めぐみちゃんという子がその仲良し友達だった。
めぐみちゃんは、クラスのなかで一番背が高くて大人っぽく、分け隔てなく誰にでも優しくて、クラスの後ろの方でいつもニコニコしているような、男子なら一度は好きになるであろう女の子だった。
クラス替え直後、私にロックオンされためぐみちゃんはスルッと私の親友ポジションにおさまってくれた。
クラスで一番チビな私と背の高いめぐみちゃん。
小さい私を可愛い可愛いと抱き締めてくれる度に感じた、周りの男子の羨望の眼差しを思い出す。
そういえばめぐみちゃんは発育も良かった。
「算数のテストどうだった?私半分くらいしかわからなくて…」
めぐみちゃんは勉強ができないところも萌えポイントだった。
「放課後に教えてあげる、その後遊んで帰ろう」
そんな毎日を過ごすうちに、めぐみちゃんに対して、友情というにはドキドキがありすぎなのでは?と自覚するようになった。
勉強も運動も苦手で庇護欲を掻き立てるタイプの天然おっとり娘。
昔の男は出来の悪い女が好きだとか言うけれど、私は断然そのタイプなのでなにも言えない。
短距離走でビリッケツになっているとこなんて見たら、きっと尊さで天を仰いでしまう。
好きになる男のタイプはどっちかというと頭の良い人なのに、なんでそこに性差があるのか全く理解できないが、こればっかりは仕方がない。
背が高くてふんわりしてちょっと抜けた優しい女性。
今でもそういう人がいると脳死でキュンとしてしまうのは、間違いなくこの2人の思い出のせいだろう。
  
つか何かそんなのどこかにいたなと思ったらアレだ、かぼちゃワインのエルだ。
今の若い子は知らないだろうけど、高身長女子萌えのハシリだから是非ググって欲しい。
いい話風にしめたかったけど、エルはエロいです。

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