音色展のこと
noteをはじめます、よろしくお願いいたします。
5代目として店を継いだのが2001年、それまでは東京でデザイナーをしていました。衰えはしていたものの呉服業界はまだギラギラしていました、ただほんの一部の大手小売店が押し売りをしはじめて、呉服店の信用は全体に悪化してゆく、そんな頃です。
呉服屋として生まれ育ち、また大好きな世界でありますから、着物に囲まれているのは嬉しいものの、業界を悪く言われるのは身を切られるような思いでした、そんなこんなで、これじゃない感じを同世代に伝えられないかなぁと、自分なりの試行錯誤があったんです。
当時は着物の世界の中で、カジュアルやファッションといった感覚は、バブルの呉服高級化志向を経て無いも同然。実際、フォーマルも良く動いてましたし、それはそれでニーズですから良かったとは思います。ただその時の僕の年齢では価格と敷居が高かったし、もっと別のテイストで発信したかったんですね。
70年代80年には豊かな普段着の着物の世界もあって、とても素敵なのがたくさんあったのに、そんなのはもうないのかなと、アンテナを伸ばしていましたら「伊勢木綿」そして「新之助上布」や「雪花絞」と巡り合いました。イメージにピッタリでしたから、出会った時はとても心強く嬉しかったものです。
伊勢木綿を通して、スタジオクゥさん、そして小倉充子さん、鴨川志野さんとご縁がつながりました。
イベントを通して「東風杏」「み々弥」の両作家さんと出逢いました。広がる嬉しさ。
粉浜の店舗で音色展の前身であるイベント、
「伊勢木綿とかわいい小物たち」展を開催した時には、本当にたくさんのご来店で、その時ファッションとしての着物の楽しさが確信に変わりました。
カジュアル着物の流れは大阪の方が一足早かったことなどもあって、東京に行ってみたいと提案しまして、「東風杏」「み々弥」のお二人が参加してくれることに。
開催前に月イチで打ち合わせをしたとき、コーデや作家のハーモニーを楽しんでもらいたいという想いから、「音色展」と名付けてスタートします。
数年後、武蔵美の同級生が大阪でグループ展をしました。
それが「騎西屋」さん。
そこで一緒に展示をされていたのが「五福」さん。
ハーモニーが少しづつですが広がってゆきます。
それが年を重ねて今年で11年目。こんなに長く続けられるとは思っていませんでした、感謝です。
コロナ禍もありましたが、様々な形で音色を聞いていただいています。これからも思いは変わりません。ただ美しいものを追い求めてゆくことで、カタチやご覧いただくものはその都度変わるかもしれません。
ただカジュアルと一括りにしても、工芸作家さんの作品から、産地の伝統工芸品、手づくり市のクリエイターさんのものまで幅広いですから、138年目の呉服屋として、蓄積と目利きを大切にしたセレクトをすることと、大阪らしい敷居の低さの両立で、折々のハーモニーをお楽しみいただければと思っています、初めましての皆さんも、いつもおおきにの皆さんも、どうぞよろしくお願いいたします。
この春も、こころや主催の音色展は、
3月の福岡を皮切りに、4月の大阪、5月の東京、6月の名古屋と続きます。
大阪は、
2024.4.6(土)〜8(月) 11:00から18:00
天満橋、マルゼンボタンギャラリーで開催します。
東京は、
2024.5.11(土)〜13(月) 11:00から18:00
恵比寿、NO design galleryで開催します。
こころやは Instagramでも発信のとおり
このたび参加くださる作家さんは
の皆さんです。どうぞよろしくお願いいたします。
次は、私なりの作家さんのご紹介を書いてゆければと。
柔らかでしなやかで可愛くて丸い作品たち、どうも見ていますと、凛と芯が通っているからこその美しさなのかも知れないと思っているんです。そのあたりをつれづれに書き留めます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?