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赤札市を開催
【日時】
2025年2月8日(土)から16日(日)
11時から18時(12日、13日は定休日)
【場所】
こころや店内にて。
お値打ちのセールです。
日々のものから憧れのものなど、
精々勉強いたしますので、
どなた様もどうぞ、
この機会にお気軽にお越しください。
Instagramで色々とご紹介しております。
赤札市つながりで話は変わりますが、以前お客様のお家から、こんなものが出てきたそうで、わざわざ持ってきてくださって、頂きました。
![](https://assets.st-note.com/img/1739348495-nYXfzhAutb6j73vMeWTdwUED.jpg?width=1200)
むかしむかしの「大売り出し」のチラシです。
物の値段から推察するに、60年くらい前です。掲載商品は全て「実用呉服」ばかり。着物が当たり前に日常着だった時代のチラシです。
「ブドー英ネル」1700円
「ブドー」と云うのは、最大手の呉服問屋「市田」の商標で、ブドー印はとりわけ信頼のブランドでした。同じ英ネルでもブドーの英ネルは大手の紡績会社の最上の生地を使っていたそうで、生地が良いと評判だったとか。ちなみに英ネルは「フランネル」のこと、柔らかく暖かい毛織物で、以前は良く和装に使われていたんです。
「本モス襦袢地」780円
業界の長老さんに聞けば『この頃だと原価は600円くらい』と。とてもお値打ちだと思いますが『当時の売出しの一般的な掛率』で、『普段でも850円、900円の販売価格で御の字でした』と聞き、時代の移り変わりを感じました。『本モス(細番手の滑らかな毛織物で暖かいので襦袢に使われました)は10反を1束で仕入れて、売出しの時ならば1日100反は売っていたはずです』と、高度経済成長期の勢いたるや。
「純毛ウール着尺」1500円
「伊勢崎ウール着尺」2500円
伊勢崎と云えば、普段着の絹織物「銘仙」の産地でしたが、もうこの頃はウールにシフトしています。伊勢崎は凝っていましたから値が高いのですね、純毛と書いてあるのは八王子の織物かと。今もたまに、その頃の生地が回ってくることがありますが、昔の人の技術は尊いですね。
「男物ウールアンサンブル」5000円
60年前と云えば昭和30年代、しょうざん、ブドー、大同高栄、そんなメーカーが小幅織物、即ち着物ブームで和装専用のウール製品を織りはじめた頃です、これが昭和50年代まで約20年続きます、技術を競い合って質を高めた当時の織物を数着持っていますが、イイものですよ。
「正絹の紬」「手織紬」
そして「横双の大島」
横双(よこそ)とは、絣柄をヨコ糸だけで表現している商品で、タテヨコ絣よりも手間がかからない、いわゆる大島紬の普及版なんですが、お手頃なので大ブームだったそうです。
チラシを挟んでの長老たちの昔語り、そばで聞いている面白さ。
この頃は祖父が第一線の頃ですが「あんたのおじぃちゃんは男前で、いつも洒落た着物を着て、役者さんみたいやったんや」と祖父を知らない僕に、近所の魚屋のご隠居さんが良く教えてくれましたっけ。
この業界のバーゲンセールといえば、「決算市」や「せいもん払い」「蔵さらえ」「赤札市」などがありました、期間中は目の回るような忙しさだったことを子供心に覚えています。私も呼び込みの真似事なんかをしていましたっけ。あのお祭り騒ぎのような楽しそうな雰囲気が忘れられないんですね、こうして今も売り出しをさせて頂くのは、郷愁もあると思います、そして折角のセールですから、昔と変わらぬ大勉強を引き継いで、感謝を込めてサービスせねばと思うのです。