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2022年1月26日

今日のココ日(ココルーム日記)
今夜は釜ヶ崎芸術大学、定期開催になってる夜回り。
2升分のおむすびとお菓子とお茶、カイロとマスクを袋に入れて、路上で寝泊まりしてる人に渡す。
支援とはまた違う意味を持った釜芸の夜回りは、彼らとの出会いと会話が自分にどんな変化をもたらすのか、に焦点が当てられる。
ありがとうと受け取ってくれる人、話を始めてくれる人、寝てる人、いら〜んと言う人、怒っている人、微妙な空気感で「信頼できません」という空気をあらわにする人(でも見せてくれた絵はなんかすごく上手かった)。暗闇の中で人に出会うたび、暗闇の中でも表情があり、いろんな反応があり、自分の心は揺れ動く。
今夜の夜回り、終盤に差し掛かり、最後の一袋(おむすびは2つずつ入っている)を渡す場面。人がいそうな場所を見つけ、「こんばんは、夜回りでおむすびを配っています」、と言ったところ、隣り合った4人の人が同時にダンボールの中から顔を出した。
「あ、どうしよう、しまった」と反射的に思うが、どうしようもないので、そのまま「あーごめんなさい!あと一個しかないんです〜。」というと、4人の動きは一瞬止まったが、すぐに一人が「俺はええよ」といい、もうひとりも同調し、一人が周りとアイコンタクトし手を挙げるので「じゃあ、この形であげますがいいですか?」とその人にあげることにした。
罪悪感に襲われつつも渡していたら、最初に俺はええよ、と言ったおっちゃんが笑顔で「来月は頼むなー!」と声をかけてくれた。なんで月一回なのがわかるんだろう?とちょっと考えたが、「ありがと、ごめんねー。必ず!」と返した。その間に、最後の一袋を渡した彼は、これまた数秒のアイコンタクトで、2つのおむすびの一つをヒョイととなりに投げ渡していた。とてもしなやかにすべてが動いていった。
もちろん、人間同士の出会いだから、これが答えとということはない。ただ、今回は完全に彼らに救われた。「ごめんね、ありがとね〜。おやすみなさい、良い夜を。」と自分が言って、僕は嬉しくなった。
そして来月は頼むな!と言ってくれた彼が「あんたひと花のスタッフやろ?」と。「いや、ココルームです」と答えたが、あ、この人、俺のこと完全にひと花センター(ココルームとも関わりの深い近所の高齢者の居場所施設)のUさんと間違えてるな、とわかった笑(最近、しょっちゅう間違えられてるんだよねぇ。)
彼はニコニコしたまま、「おう、そっかー」なんて言っていた。
言ってみれば、彼の心を最初から許してくれたのは、Uさんが彼に良い関係性を作ってくれていたからかもしれない。Uさんにも感謝である。
色んな人に救われてます。ありがたき日々です。
(書いた人・げん)


写真は、今日の大きな仕事を終えて、ゆったりとそして堂々と佇む、2升炊きの炊飯器くん。

現在、ココルームはピンチに直面しています。ゲストハウスとカフェのふりをして、であいと表現の場を開いてきましたが、活動の経営基盤の宿泊業はほぼキャンセル。カフェのお客さんもぐんと減って95%の減収です。こえとことばとこころの部屋を開きつづけたい。お気持ち、サポートをお願いしています