見出し画像

2021年12月28日

今日のココ日(ココルーム日記)
いつもココルームに置いてある振る舞い茶を飲みに来るオッチャン。
以前はお茶を飲んでからココルームの庭にいた亀にエサをやるのが日課だったが、ある日突然やってきたアライグマに亀が食べられて以来、特に何かをするわけではないが毎日ココルームに来てくれる。
今日はカラクリ博士が作った内蔵マイクで喋る作品とひとしきり会話をしてその人形の頭をやさしく撫でていた。
ココルームではとても穏やかに見えるオッチャンだが、他の場所ではかなりの荒くれものとして通っているようで、彼と交わす会話はだいたいが誰々と喧嘩した、という話になってしまう。
ココルームのお茶は誰が来て飲んでもいいように置いてあり、オッチャンは自分で使った湯呑みをやりすぎに思えるくらい誰よりもしっかり洗ってから帰っていく。
誰かと少し話すこともあれば、誰とも会話せずに立ち去る日もある。
他所では暴れん坊のオッチャンがココルームでは穏やかに過ごせていられるのはなぜだろう。
きっと他所での乱暴さもココルームでの穏やかさも彼のリアルな側面であり、色々な場所で色々な自分を出せることも(個人の中の)ビバ多様性として僕たちには大切なことなのかもしれない。
雑多と言われるこの釜ヶ崎の街では、歩く路地が一本違うだけでまったく違う自分が立ち上がるような感覚を覚えることがある。
場が担保する一人の人間に内包された多様な個性というようなものについてココルームにいるオッチャンを見ながら考えていた。
今日は帰り際にバザーで来年のカレンダーを買って帰ったオッチャン。
良い年を、そしてまた来年もお茶を飲みに寄ってね。
(書いた人:テンギョー)

いいなと思ったら応援しよう!

ココルームの日々
現在、ココルームはピンチに直面しています。ゲストハウスとカフェのふりをして、であいと表現の場を開いてきましたが、活動の経営基盤の宿泊業はほぼキャンセル。カフェのお客さんもぐんと減って95%の減収です。こえとことばとこころの部屋を開きつづけたい。お気持ち、サポートをお願いしています