私的特撮ヒーロー烈伝①南光太郎(仮面ライダーblack/Black.RX)
今回は昭和最後にして、平成最初の仮面ライダーとしてその名を刻む、仮面ライダーブラックならびにブラックRXに変身する南光太郎のご紹介です。
南光太郎は、東星大学人文学部の2年生で、親友の秋月信彦と共にサッカー部に所属し、何不自由ない青春を謳歌していました。
しかし19歳の誕生日に、人類の歴史の裏で暗躍する暗黒結社ゴルゴムによって、その首魁である創世王の後継者候補として改造されてしまいます。
以後改造された悲しみを背負いながら、仮面ライダーブラックとして、怪人や宿敵 シャドームーンとの戦いに身を投じます。
光太郎は、ゴルゴムを倒し半年後、親戚のつてを辿りヘリコプターパイロットの職を得て、失われていた平穏な日常を取り戻していましたが、地球侵略のため現れた強敵クライシス帝国に命を狙われ始めます。その戦いの中でRXへの変身能力を獲得するのです。
ゴルゴムとの戦いを終えて自暴自棄になっていた光太郎は、佐原家に救われ、性格も明るくなっています。もともと明るく社交的な性格でミーハー的な部分もあるという設定になっています。
何でもゴルゴムの仕業で片付けてしまうところからは想像できないが、人に物を教えるのも割り合い得意で、一方話術に長けた老人に翻弄されるなど、弁舌には長けていないという弱点もあります。また、年下の人物を先輩と立てたりすることにも抵抗はないようです。
そして、クライシス壊滅後は新たな悪の出現に備えて、精神を鍛えるべく旅に出ています。
後に正式に平成仮面ライダーシリーズとしてスタートし、全仮面ライダーの世界を渡り歩く仮面ライダーディケイドでも南光太郎は再登場し、まさかのダブル光太郎の同時変身が実現。ファンを歓喜させました。
これは「仮面ライダーディケイド」の劇中にて「BLACKの世界」と「BLACK RXの世界」が別の世界として扱われていることによります。
さらに、劇場版「スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号」では当初、BLACKの変身者として登場しています。
この映画でのブラックは、ショッカーの洗脳を免れていた数少ないライダーの1人で、特状課のホワイトボードを見る限りでは、以前からショッカーの関係先を度々襲撃する等、レジスタンスとして活動していたようです。
また、改造人間候補となった子供達を助けようと登場し、シュバリアン、ザンジオー、カメバズーカ、ショッカーライダーとなっていたドライブを相手に奮戦しますが、徐々に追い詰められていき、最後は攻撃から子供たちを庇って重傷を負ってしまいます。
しかし、正義の心を貫こうとする光太郎のその姿勢はドライブ=泊進ノ介の心を動かし、彼がショッカーを離反するきっかけとなるという結構重要な役所でした。
最後に特筆しておきたいのは、長い歴史を持つ「仮面ライダー」シリーズの中で、TVシリーズにおいて複数の作品で主役を勤めたのは現在でも「南光太郎(=倉田てつをさん)」唯一人なのです。