![橋掛人柳二](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/17341003/rectangle_large_type_2_5c9c0e857f248176b1978077d3164269.jpeg?width=1200)
私的必殺シリーズ仕置烈伝⑧柳次(必殺橋掛人)
今回は必殺シリーズの第24作目にあたる「必殺橋掛人」より主人公の柳次をご紹介します。タイトルの「橋掛」は「冥土(地獄)に渡す橋を掛ける」という意味があります。
必殺橋掛人は、主人公に必殺シリーズで個性的な悪人を演じてきた、津川雅彦さんを起用するなど、シリアスな作風への回帰を狙ったシリーズです。
前期シリーズの監督である工藤栄一さんを復帰させ、混成裏稼業の橋掛人グループの殺し屋としてのプロ意識、プライドのぶつかり合いといった描写に重きが置かれています。
他方で、若い後妻と先妻との間に出来た一人娘に囲まれた、津川雅彦演じる柳次の日常を描く、ホームドラマとしての描写も行われており、このあたりは中村主水シリーズの成功が踏襲されています。
柳次は、仲間内との博打で稼ぐことが多い反物担ぎの行商人です。
かつては裏の世界で名の通った橋掛人でしたが、娘のお咲のために足を洗っていた。
「十三の依頼」のみを受けるという条件で、橋掛人に復帰します。
橋掛人としてのプライドは非常に強い一方、家庭では後妻のお紺に惚れています。また、一人娘のお咲も大事にしており、お咲とお紺の不和に悩みつつ、関係改善のために奔走する姿が描かれています。
柳次の殺し技は、餓鬼や鬼に責められる亡者の刺繍が施された反物の中に仕込まれた金色の針金状の硬質な糸を引き出し、それを悪人の首に巻き付けて絞め殺します。
基本的に反物を相手に向かって広げ、その絵柄を見せて驚いたところで葬るのが通例になっています。
橋掛人の柳次を演じられた津川雅彦さんは、長年必殺シリーズで悪役として殺される側でしたが、はじめてヒーロー側に立つということで、相当意気込んでおられたそうです。
しかし、残念ながら橋掛人自体はシリーズ後半になると息切れしてしまい、出来としては中途半端だったのが悔やまれてなりません。設定とか殺し技は非常に良かったのですが…
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