生命力イラスト・想い出の車シリーズ③ホンダS600
今回ご紹介するホンダS600、通常エスロクは、1964年3月~1965年12月に生産したオープンスポーツカーです。
現在でもビンテージカーとして、一定の人気を保っている車でもあり、また西ドイツ(当時)へ輸出した初めてのアジア製四輪車でもあります。
イラストにもあるように、冷却風量を確保するために開口を増したメッキグリルと、それに伴うバンパー形状の変更以外存在しないという非常に変わったスタイルをしたクルマです。
そのユニークなヘッドランプなど愛らしい外見で、本田宗一郎さんのお気に入りだったといわれているそうです。
もともと二輪のメーカーだったホンダは、創業者・本田宗一郎氏の「既存メーカーと競合するより新しい需要を開拓すること、日本の自動車産業を国際的に通用させるためにはレースによる早期育成が必要で、そのためにはスポーツカーがいる」との判断から生み出されたモデルでした。
ホンダのスポーツカーは1962年の全日本自動車ショーで公開されました。しかし、後に販売されたのはS500だけで、S360は幻の車となってしまいました。
本格的なライトスポーツであるS500は、デザイン性の高さと優れた性能から若者の心を鷲掴みにします。しかし、S500の販売期間はわずか1年のみ。その理由は、後継機であるS600が1964年に発売したからです。
その最高速度は145km/hを達成しています。この最高速度は、倍以上の排気量を持つエンジンを搭載した他の車の最高速度と同等の性能でした。ホンダの技術の高さがなせる技です。
ホンダS600はモータースポーツ界にも進出します。小型ながらも他の車を圧倒し、ホンダとしてその名を世界に轟かせることになります。が、のちにS800が1970年に惜しまれつつ生産を終了。Sシリーズの歴史にいったん幕が下ろされたのでした。
両親2人の介護を一人でやってます。プロレスブログ「せかぷろ」&YouTube「チャンネルせかぷろ」主宰。現在ステージ2の悪性リンパ腫と格闘中。